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異世界ヒーロー

異世界ヒーロー

作者: 木下 陸

頭空っぽにして書いたので、頭空っぽにして読んでください


「はぁ……」

仕事終わりの夕方、大きくため息をつきながら近くの公園の自販機で飲み物を買い、ベンチに腰掛ける。僕の名前は炭田酸(たんだ すい)。役者をやっていて今日、初の主演番組「装甲勇者シュワライザー」のオールアップを迎えた。この番組は長らく休止していた大人気特撮ドラマシリーズ「装甲勇者」を再び世に売り出すという企画から生まれた番組だ。数年ぶりの新作だったため滑り出しは良く視聴率も玩具の売上も順調だったが、装甲勇者シュワライザーに続き始まった他社の特撮番組「凱甲英雄」という特撮ドラマシリーズとの競走に負け、気づけば番組の視聴率はガタ落ち、玩具の売り上げも凱甲英雄に劣り売れ残り続出……。そんなこんなで散々なオールアップを迎えたのであった……。

「っはぁ……これからどうするかな〜」

さっき自販機で買った炭酸飲料の缶の蓋を開け、ゴクゴクと豪快に飲む干すとそんな独り言が零れた。シュワライザーが初の大きな仕事だったためまだ次の仕事は決まってない。

「俺の人生、こんなんでいいのかな……」

缶のゴミを捨て、横断歩道へと歩みだし空を見上げながらそう呟いた瞬間……大きなブレーキ音と衝突音が鳴り響き、俺の視界は真っ暗になった__。






☆★☆★






【異世界都市 ファンタジア】

挿絵(By みてみん)

「勇者はまだなのか?!魔王軍は次々とファンタジアの区域を襲撃している。このままでは都市全体が滅びるぞ!」

「ご主人様…どうかご安心を…たった今人間の召喚に成功しました。」




★☆★☆




「んんっ……」

しばらくして目を覚ます。

「俺は……」

そうだ、確かあの時トラックに轢かれて…って事はここは天国か?

「いいえ。違います。」

「うぇ?!」

いきなり心の声に返事をされ、変な声を出してしまう。

「だ、だれ?」

俺が振り向くとそこにはメイド服を着て美しい青髪をたなびかせる美少女が立っていた。

挿絵(By みてみん)

「私はルリナ・ファームズと申します。ご同行願います」

「はぁ……」

そしてメイド服の美少女に言われるがまま後を追い、宮殿みたいな場所にきた。

「奥へどうぞ…」

「は、はい…」

促されるままに奥へ進んでいると、廊下に並べたられたたくさんの騎士の鎧、不思議な壁画など様々なものが目に入る。そんな目新しいものに目を輝かせていると目の前におっきい扉が見えてくる。

「……失礼します」

美少女は大きなドアに困惑する俺に構うことなく巨大なドアをノックするとドアが開かれる。

「君が新たに召喚された人間か……」

バカでかいドアが開くとそこには玉座に座った美人な金髪の王女様みたいな人が居た。

挿絵(By みてみん)

「えっと…」

「正座…」

喋り出そうとするといきなりメイドの美少女に囁かれる。

「え?あぁ…」

困惑を隠せないまま囁かれたとおりに正座をする。

「君の名を教えてくれ」

「炭田酸です……」

「もっと大っきい声で」

またもや美少女に囁かれ、少し距離のある王女様に向かって名前を叫ぶ。

「炭田酸ですー!!!」

「炭田酸…いい名前だ!実は君に折り入って頼みがあるんだが…!」

王女様は大声で俺の名前を褒め、話を切り出す。

「実は……」

「伏せて」

王女様が要件を言おうとした瞬間、美少女に突然そう言われ、思わず身を竦める。すると宮殿の壁が破壊され、よくゲームでみる魔物みたいな集団が押し寄せてきた。

挿絵(By みてみん)

「ど、どゆこと……」

困惑のあまり言葉を漏らすと美少女メイドが冷静に説明を始める。

「ここ…異世界都市ファンタジアは数ヶ月前に復活した魔王軍によって壊滅状態へと追い込まれている。その魔王軍からファンタジアを救う勇者になってもらうためあなたを召喚した」

「おぉ…一気に詰め込むな……てか、勇者って俺戦えないよ?」

「……ほんとですか?」

「え?」

美少女メイドの意味深な視線と問に気を取られていると魔物の攻撃が飛んでくる。

「うわぁぁぁ!」

何とか交わしたが、攻撃によって起きた衝撃波に飛ばれ壁に体が打ち付けられ、たまたま俺のリュックに入ってた「DXシュワトリガー」のパッケージが美少女メイドの近くへと転がり落ちる。

「あるじゃないですか…戦う力」

美少女メイドはそう言ってパッケージを拾い上げる。

「いやいや!待って!それはオールアップの記念にもらった玩具で…」

俺が必死に弁明するも美少女メイドは聞く耳を持たず、そそくさとパッケージを開封し、「DXシュワトリガー」と「ソーダメダル」を取り出す。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

「なにしてんの?」

「いいから…黙ってみてて」

王女様や騎士達が魔物のを食い止めてるのにそれどころじゃないんだが……

「ねぇ、まだ?!というか早く逃げないと…」

「いいから!静かにしてください!」

「スイマセン」

美少女メイドに怒られ、萎縮していると美少女メイドはなにやらよく分からん光をDXシュワトリガーとソーダメダルに込め始める。

「えぇ……」

またなんか言ったら怒られそうなのでソワソワしながら見ていると

「はい、どうぞ。使い方はご存知ですよね?」

と美少女メイドは唐突にそう言ってシュワトリガーとソーダメダルを俺に渡す。

「え?は?」

「いつもやってた変身見せてください。」

場違いすぎるリクエストをされ、背中を押される。

「あぁもう!どうなっても知らねぇぞ!」

やけくそになった俺はシュワトリガーとソーダメダルを構える。

「ソーダメダル!セット!」

【プッシュ!】

挿絵(By みてみん)

「炭酸武装!」

変身の掛け声を口にし、ソーダメダルがセットされたシュワトリガーの引き金を引く。

すると、本編のエフェクトと全く同じ透明なジュースのが降ってきて、その上に赤いソーダが流れてきて大量の赤いソーダに身を包まれる。

【ブレイブスパークリング!】

「弾ける勇気!シュワライザー!」

【シュワライザー!】

挿絵(By みてみん)

俺は異世界で本当に変身してしまった__。

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