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極彩に、色交われば今日も眩しい。  作者: 道野 結己
第一部 赤い世界
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01話 新しい管理人

 その日、熾基(しき)は主人から、近々管理人が入れ替わると伝えられた。

 その意味を苦く感じながらも、表面上は「そうですか」と、他の業務内容と同様に、感情を乗せること無く返答した。

 この件に関して1番苦く感じているだろう主人は、この日から業務の合間に窓の外に目を向ける事が多くなった。自分の中にある、彼女へと繋がる僅かな情報を大事に、注意深く見守っている様子だった。


 それから7日が過ぎた朝、主人からは管理人が変わったとだけ伝えられ、しばらくは業務を休むと言ってそのまま部屋に閉じこもってしまった。

 管理人に関して把握できるのは主人のみとなる。その為、主人の下にいる他の管理人である熾基(しき)ではその片鱗さえ感じる事はできない。

 ただ情報として彼女が亡くなったのだと伝えられ、硝子の向こうの庭にある大きな木に、面影を探して目を向けていた。


 それから更に7日が過ぎた。

 あの日からずっと、主人は部屋から出てくる気配も見せずにいた。熾基(しき)は部屋の前まで様子を見に行くも、声を掛けるなという無言の圧力を感じてそのまま引き返すという事を繰り返していた。

 主人の悲しみは測れないが、理解はできる。だとしてもそろそろ業務的には厳しくなってきたので、熾基(しき)は溜息混じりに、あと3日したら声を掛けるかと決意した。


 だが、おかしい。

 管理人が変わったのであれば新しい管理人を主人が連れてくる筈なのだが、部屋に閉じこもったままでそういう気配も無い。元々は3人と決まっている管理人だが、10年程前に1人の管理人がここを去った。それ以降、2人の管理人で回していたので業務に余裕もあまり無い。

 主人から管理人が変わったと伝えられ、ここにいる2人に変化が無いのであれば、必然的にここを去った管理人が亡くなったという事だろう。主人はいつになったら新しい管理人をいつ連れてくるつもりなのだろうかと熾基(しき)は気にしていた。


 その時、耳慣れない音が建物全体に鳴り響いた。


 滅多に鳴らない筈のその音に、熾基(しき)は一瞬、理解が追いつかなかった。記憶の隅にあった訪問者を知らせる音だと思い出すと、ここから離れている白い門へと足早に向かった。


 今いる建物を抜け、日の入る長い廊下の先に、小さな森がある。その端には白い門にはあった。その滅多に開く事の無い、白い門の内側にいたのは、鮮やかな赤い髪をした14、5才に見える目つきの鋭い少年だった。

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