00話 プロローグ
初投稿により、設定などを試すので、しばらく書き直したり、追記したりが続くかと思います。
母親からの遺言に沿って、ある門の前まで来た。
ここひと月程の出来事は全てが現実味が無く、他人事の様にさえ思える。
全く馴染みのないその白い門は、透き通った鮮やかな青空の元、酷く眩しく感じられた。
街道から程近いにも関わらず、この場所へ続く道も出来てはおらず、低い草の生えた部分を歩いて何とか辿り着いた。不思議な事にここは地元の者にさえ知られていない様子だった。
今は、人と話すのも目を合わせるのでさえ億劫なので、ある意味とても助かった。だが、この門を潜ればそうもいかないだろう。
こんな状況でさえ無ければ、母と過ごしたあの場所から動きたくは無かった。だが、ここに来るのを望んでいた母によって、幼い頃から過ごしたあの場所は跡形もなく崩れ去ってしまった。
現実味の無い、けれど足場が揺らぐ様な喪失感の中、全く知らない道のりは酷く遠く感じられた。
諦めを含んだ短い溜息をついてから、意を決して門へと手を伸ばした。
初めまして。よろしくお願いします。
お豆腐メンタルの為、温かく見守っていただけると嬉しいです。単純なので褒められると喜びます。
設定等はふんわり加減になっておりますので、さらっと流していただけると助かります。