2020/07/24
私はパートナーの男と共にある仕事で街を練り歩いていた。我々は最初、町医者を訪ねた。木造の古めかしい建物の中で、我々は手術を受けた。インプラントの類だ。といって、ICチップのようなハイテクなものではなく、「からくり仕込み」なんて言葉がしっくりくるような、そんな代物だ。隣の部屋では電流を流されて悶える相棒。一方、私の方の手術は随分と穏やかだ。右のえらから顎に何かを通された。それから耳。とにかく顔を中心に色々といじられた。あとで違和感はないかと顎や首の骨をクイクイと動かしてみたが、まったく支障が無い。見事な手際である。
さて、相棒も手術を終えたようで、我々は探索を再開した。現代日本の住宅街である。ところが我々がある家の駐車場を調べると、『女神転生』シリーズのアナンタが出現した。そのアナンタの上には赤字で60秒ほどのカウントダウンが出ており、静止している。だが四方の道からは別のアナンタたちが迫ってきていた。
我々はやはりあの病院のような木造の建物に身を隠すと、奇妙な物体を取り出した。耳をかたどったオブジェだ。だが根元の部分、本来三半規管などの内部構造があるべき側面には、複雑な形状の金属パーツが付いている。我々はすぐにこれを鍵だと見抜いた。まずは相棒がそれを自分の耳へ突っ込んだ。しかし何も起こらなかった。次に相棒は私の耳にそれを突っ込んだ。するとそれは本来の長さ以上に奥へ奥へと私の耳に入ってきた。痛みは無く、耳かきに似たかすかな心地よささえある。やがてそれが私の頭蓋を一周したころ、変化が起こった。確かこちらも何か召喚してアナンタを撃退した、とかそんな具合だろう。あまり記憶にない。
別のシーン。中学当たりの修学旅行だろうか?私は当時の面子とスーパーにいた。ここでは金銭感覚を養うために商品の値札を見て回ることになっている。酒類に興味を示す者もいたが、下戸の私は菓子を目当てに人気のない方へ行った。するとさらにその先には医薬品が置いてあった。どころか、そこには医者がいた(先ほどのシーンとは無縁だ)。なんでもこのスーパーは診療所と併設されているらしい。そこで私は価格予想の最中であったことを思い出し「この閑散ぶりから察するに~」などと無神経なことを口走った。医者がむっとしたので、帰った。しかし、それなりに時間が経っていたらしい。既にバスの出発予定時刻を過ぎ、私は迷子ということになっていた。私は別の車の荷物入れに入ることとなった。荷物入れには先客がいた。髭の強面だ。髭の男は負傷しており、荷物入れの隅に横たわっていた。お互い相手の足の臭いをかぎたくはないが、負傷者を動かすのもすまない。私は二人がV字になるように入り、相手の足を頭の後ろに持ってくることで我慢した。
別のシーン。大型のビルにはすべてがあった。ショッピングモールからオフィス街、果ては大学までを内包したそれは、もはや一つの都市である。やはり中学のころの面子が行き来していた。私は何か大きな挑戦をするために、人々の生活圏から離れた上層階へと向かっていた。その階のディスコで繰り広げられていたゲームに勝利し、次はその運営側に出会って新たなゲームを作るとか、そんな具合だった。しかしエスカレータの勾配がきつく、ほとんど垂直である。そのうえ蛇行せずエレベータのように一本で最上階まで貫通しているのだから、落ちるときは一番下まで真っ逆さまだ。こんな危ない昇降機は無い。私は他の手段を探した。
シーンに繋がりは無いが、私は仕事でオフィス塔を訪れる機会があった。高塔の最上階である。高所恐怖症の私は足がすくんでいた。
それから、ビルに怪物が溢れかえったこともあった。かなりの速さで蛇行する、人と蟲を合わせたような生き物だ。私はそのとき、教室へ戻る途中だった。案内板を見ると、他の大学がアクセスのいい場所にある中、大阪大学は塔の最上階と記されていた。エレベータに乗り込むと、人影が見えた。虫かと思った私は急いで「閉」ボタンを連打したが、手を突っ込まれて扉が開いた。幸い、生徒だった。それからそのチャンスにあと二人ほど乗った。その後まだ来たが、今度こそ虫だろうと思って慌てて閉めた。同乗者たちは「それでいい。素晴らしい警戒心だ」と言っていた。




