第8話 特訓
次の日からパワーストーンを使いこなせるようになるための特訓が始まった。戦争開始は一ヶ月後。バンナムはそれまでに王国騎士団と同じレベルに育て上げるつもりだそうだ。
僕はウォーターストーン、レオンはファイヤーストーンを。
「休憩だー。お前ら少し休め。」
「ヒロ様、レオン様栄養ドリンクをお持ち致しました。」
「ありがとう。ファラド。」
僕は栄養ドリンクを受け取るがレオンは受け取らない、受け取りたくない!という感じで首を横に振る。
「俺は遠慮しとくわ。ヒロ、俺の分まで飲んでおいてくれ。」
そそくさと立ち去っていくレオンだったが、ファラドに見つかり
「レオン様?こちらナンシー様からの差し入れなのですが…。」
腕を組み悩んだ末に、飲むよ、と一言。
「ヒロ、飲むのは初めてだろうから覚悟しとけ。いっせーのーで飲むぞ。」
「「いっせーのー」」
ぐいっと飲む。体中に何かエネルギーが湧いてくる気がしてきた。横ではレオンが気を失っていた。
「ヒロ…。あの栄養ドリンクを飲んでも気絶しないのか?」
バンナムが聞いてくる。
「何か力が湧いてくる気がするよ。」
「ナンシーの作ったものは絶対食べると気を失うはずなんだがなぁ。」
「バンナム様!あまり大きな声を出すと…。」
「バンナム?今なんて言ったの?」
ナンシーが仁王立ちしてこちらを睨んでいた。