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第6話 ナンシー
「ナ、ナンシー様!どうしてこちらの部屋に?しかもまだ起きておられたのですか?」
「ファラド、このことはお父様とジェシカには内緒にしておいてね?」
ナンシーと呼ばれる女の子が持っている杖の先が紫色に光る。
「わかったならいいわ。そこの君…ヒロとか言ったよね?君のせいで天界との戦争が始まろうとしてるんだけどどう責任とってくれるわけ?」
「いきなりなんですか?戦争ってどういうことですか?」
「ナンシー様。ヒロ様には責任はありませんし、戦争が起きたのはヒロ様のせいでは…。いつか起こる戦争だったのです。それがこれから起ころうとしているだけなのです。」
「ファラドさん!戦争ってどういうことなんですか?」
「ファラド!なんでこいつに説明してないわけ?」
二人から問い詰められるファラドは顔が引き攣っている。
「国王から言わないほうがいいと…。そろそろお時間なのでナンシー様、こちらへ。戦争については明日ご説明致しますので〜。」
ナンシーの手を握り部屋を出て行った。しばらくすると頭の中でアラームの音が鳴り響く。そろそろ時間か。布団に潜り目を閉じる。