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血の河  作者: お肉
1/1

吸血


「もう終わりだ」


たった一言で全てが砂のように零れ落ちる。

さらさら。さらさらさらさら


彼があんまりあっさり″それ″を口にするものだから、僕は阿呆みたいに、ぽっかり口を開いたまま静止していた。


油蝉の声が耳に痛い。

唐突に出来た傷口に、その鳴き声は細かい粒子になって塗り込まれる。


じっとりと、汗ばんだ肌に気だるい蝉の鳴き声が貼り付く。ぺと、ぺと。


無情だ、と僕は思う。


そして世界は残酷だ、と。


「おわり」


確かめるように、彼に問う。


「血の河は閉じてしまった」


「閉じる」


「もう戻れない」


「戻れ、ない」


壊れたぜんまい時計の様に同じ事を繰り返す。絶望とも違う。


無、だ。


僕はもう永遠に、けっして永遠に。


人間には戻れない。


そしてそんな絶望から物語は始まっていく。


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