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僕はどう生きるか 偏差値80からうつ、ニート、無職になるまで  作者: 依澄歌
大学~社会人時代 迷いの日々は続く
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劇薬リタリン

 もちろん精神的苦痛が一番だったが、僕は起きられないということにとても悩んでいた。

 とにかく、朝が起きられない。昔から朝は弱かったし、ずっと無茶苦茶な生活を送っていたから無理もないのだが、思った通りに寝起きして時間を使えないというのが、僕は我慢できなかった。


 アラームを何時にセットするか迷いに迷いながら、少しずつ時間をずらして目覚ましを何個もかけ、それでも起きられなかった。

 なんとか這いつくばってベッドから出ても、そのまま床で寝てしまったり、すぐに二度寝したりしてしまう。そして、自己嫌悪に陥った。


 そのくせ、自然に目が覚めるのでないと納得できず、親に起こされたりするとものすごく不機嫌になった。


 たまに早く起きられると、今度はどう時間を使えばいいかわからず、せっかく起きられたのだから有意義に使わないといけないとそわそわし、それはそれでストレスになった。


 もうどうしろと、という状態である。


 そんなにすぐ生活を改善できるわけがないと思って気をとりなおしても、繰り返し繰り返しトライして失敗し続けると、心が折れそうになる。


 その後今に至るまで生活は改善しきれていないが、経験をとおしてわかったのは、起きられるかどうかには精神状態が少なからず関わるということだ。


 僕は、体質と意志が弱いのが理由で起きられないのだと思っていた。もちろんそれもあるが、気持ちが沈んでいて特にやりたいことも起きる必要もなければ、それはつい寝てしまうというものだ。

 また、仮に起きられたとしても、先のことを考えて不安になり何も手につかないのでは、起きているのが嫌になってしまう。

 精神的に落ち着いていて前向きになれているときは、そうでないときよりだいぶ起きやすい。


 当時の精神状態では自然に生活が改善するのは望むべくもなく、僕は藁にもすがる思いで、普段通っているのとは別の病院に駆け込んだ。


 診てくれた先生は感じのいいおじさんで、僕の話をよくきいてくれた。そして、まずはしゃきっと起きられるようにして、そこから生活リズムを整えていきましょうという方針を立ててくれた。

 そして、目覚めのよくなる薬が処方されたのだが……それが「リタリン」という薬だった。

 

 そのとき僕は知らなかったのだが、このリタリンという薬は覚醒剤の一種ともいわれる強い薬で、そう簡単に処方されるものではないらしい。

 帰宅した父に初診でリタリンを処方されたことを報告したら、「お、おう、リタリンが出ちまったか……」という反応だった。


 のちに父が知り合いの医師に確認したところ、僕が診察を受けた先生は怪しいという噂のある先生とのことだった。

 よさそうな先生に見えたのに、わからないものだなと思った。以後、その病院には行っていない。


 なお、僕は病院から帰宅後早速リタリンを飲んだが、直後にいつも通り爆睡していた。

 これは、そう簡単には治らないなと思った。

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