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私の夢は魔法使い  作者: 西野空
6/11

新たなる門出

「あーあ、結局お姉ちゃんあの学校に行くのかー…」

「もう、いつまでグチグチ言ってるの」

「だって完全にお姉ちゃんあてにしてたのに急に独り暮らしとか、お姉ちゃん死ぬ前にアタシが餓死するよー」

「死なないから。いざとなったら料理は出来るようになるよ」


私と絆はそれぞれトランクケースを持って最寄駅に居た。両親は仕事で見送りは来ないため私達二人だけ。


私は三葉学園に行くために、そして絆は新しい大学生活を送る為に。


本当だったら同じ大学に通うことになる絆とルームシェアする予定だったが、私が三葉学園に編入するために、ここで暫くお別れだ。


短大も実家から通ってたため、寮とは言え独り暮らしするのは初めてのこと。絆も、今まで高校生だったのだから同じ気持だろう。

少し寂しくて、不安で…けど、わくわくする不思議な気持ち。


キャラメル色の髪を器用に編み込み、ガーリーな服を着たほわほわした我が妹はぶっちゃけ可愛い。きっと、大学ではモテモテだろう。


「絆、サークルも大事だけど勉強するんだよ」

「分かってるよー。お姉ちゃんはちゃんと友達作るんだよ。最低5人だからね」

「うっ、私は深く狭くなの。」

「まぁ、そこがお姉ちゃんの良いところでもあるけどね。友達って認めたら凄い尽くすし。けど、人数制限ふやそーよ」


クスクス笑った絆は、時計を確認する。


電光掲示板を見ると絆が乗る電車がもうすぐ来るらしい。


「じゃあ、お姉ちゃん。また、夏休み帰るからお姉ちゃんも帰ってきてね」

「うん。帰る帰る。」

「約束だよ」

「分かってる。ほら、早く行かないと」


絆がエスカレーターを登り切るまで手を振る。


「あー…なんか、切ないなぁ」


絆の姿がなくなり、一人になった所で寂しさがこみ上げてくる。


「大人なんだから、しっかりしないとね」


絆とは違う電車に乗るために駅の構内を歩き出す。

と、スマホが短く震える。


画面を見ると絆からのメッセージだった。


【お姉ちゃん、どうしよ!充電器持ってくるの忘れた!というか、なんかまだ忘れものしてるかも!だから戻る!お昼一緒に食べよ♪】

【電車乗ったから一人で家戻って】


「絆、大丈夫かな…まったく」




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