家族と
「縁、それでアンタはどうする事にするの?」
あれから3日が過ぎた夜、お母さんとお父さん、それから妹と鍋を突いていた。
「お姉ちゃん、マジで魔女になんの?」
「その軽蔑する目やめてって」
「だって、ねぇ?」
「いや、俺は反対してないぞ」
妹がお父さんに同意を求めるものお父さんは柔らかく笑ってくれる。
「あ、そうかお父さんは薄毛なんとかしないとだからお姉ちゃんには魔女になって貰わないと困るんだよね?」
妹の心無い一言はいつもの事だが、お父さんには大きなダメージだったらしい。箸が止まった。
「お母さんはこの前言ったとおりあんたに任せるわよ。」
「えー、アタシは反対だけどなぁ」
染めたばかりの、キャラメル色の髪を弄り妹、絆は呟く。
「絆、ご飯食べてるんだから髪触らないの」
「お堅いなぁ、お姉ちゃん」
髪から手を離し、妹は腑に落ちない表情で肉を頬張った。
「私は、就職とか学費の事とかよく考えた上で三葉学園行こうと思う。」
「そうか」
「うん。大学に行かせて貰って申し訳ないけど、やっぱり諦められない。お金は必ず返すから」
「そんなお金の事なんて気にすることないんだよ、縁。お前の好きにやんなさい。」
復活したお父さんはやっぱり優しい。
「三葉の学費は学園から借りる奨学金制度があるから大丈夫」
そう言うとお父さんは困った顔をする。
「もっと甘えていいんだよ?」
「お父さん、縁が自分で考えて決めた事にケチつける気ですか?」
お母さんの鋭い眼光がお父さんを捉える。
「そんな事はないんだけどね」
「縁、後悔のないように頑張りなさい」
「うん」
私の返事にやはり絆だけは釈然としない顔をした。