そんなこんなで私の部屋
ペアの8年生に連れられみんな部屋へと行ってしまい、桃花ちゃんと真鈴ちゃんペアに関しては何故が玄関へと直行して行った。きっと火炎君の所だろう。
そして、今現在私と穂乃佳さんだけが食堂に取り残されている。
「毎年こんな感じなんですよー。」
穂乃佳さんがニッコリと微笑む。やっぱり私この人の笑顔苦手かもしれない。
「そうなんですね。で、私はこれからどこにいけば?この様子じゃさすがにペアなんていないですよね」
「ええ。ペアの役割は、主に生活の手伝いですからねー。編入生は14年生と同等の年齢ですし、10年生からは一人部屋なんですよー。」
食堂から連れ出され、玄関脇のエレベーターに乗せられる。というか、エレベーター存在してるんだ。
「7年生から上は魔法で移動するんですけど、それより下の子達は魔法は使えないに等しいですから。階段でも良いんですが、これで10階まで移動出来るようになってるんです」
聞きたいことはいろいろあったけど、思いの外早く着いたエレベーターが開いた事で会話は中断した。
「園田さんは707号室です。」
エレベーターを出てすぐの部屋だった。
鈍色の古めかしい形をした鍵を穂乃佳さんがエプロンのポケットから取り出す。
「はい、どうぞ。この鍵はあなた以外使えませんからご注意下さいね~。あ、マスターキーは私が持ってますので無くしたら言って下さい」
「あ、はい。」
穂乃佳さんから鍵を受け取り鍵穴に差して回す。別段変わった事もなく、扉は開いた。
「どうぞ、今日からここがあなたのお部屋です。生徒によって部屋の改造は自由にしていいことになってるんですよー」
そう言われはしたものの改造なんてする気は微塵も生まれなかった。白い壁紙に柔らかい木目模様の床、天井には照明なんだろうか球体がふよふよと浮いてる。家具は床と同じ色合いの机とクローゼット、本棚が備えつけらていた。ふかふかのベッドにも感激だ。ミニキッチンらしき場所と冷蔵庫もあり6畳ほどの1Kで決して広いとは言えないものの住み心地は良さそうだった。
「正に独り暮らしの部屋」
「上級生ほど魔改造されてますから、仲良くなった方がいらしたらそちらにもお邪魔してみて下さいね。新境地が開けますよ。あ、そちらの扉はユニットバスです。」
玄関横の扉を開ける。
えっと、ユニットバスなのかな?
確かにユニットバスなのだろうが、中々に立派なユニットバスだった。木の風呂に、市松模様のシャワーカーテン。トイレに至っても風呂と調和が取れたデザインとなっている。手洗い場と鏡も同様だ。
何コレ。いや、部屋が普通そうだったからなんだか安心してたけど…そうだよね。エレベーターの内装だってそんな感じたもん。これがココの普通なんだよね。
「ふふふ、いろいろ驚いたり悩む事もあるでしょう。寮での暮らし方、それと学校生活の事が書かれた冊子。編入生用の教科書や学用品は本棚とクローゼットに入ってますので一度目を通して下さいねー」
それだけ、説明すると穂乃佳さんは手を振って消えてしまった。
消えてしまった?
目を擦るもやっぱりどこにも姿形は無くなってしまっていた。
「穂乃佳さん!?」
え、これも、魔法?
いつの間にかベッド脇に置かれていた私のキャリーバッグを見る。
「驚きの連続だよ、本当に」
窓の外を見るとクローバーの陽は橙色に変わっていた。




