民子とスカッシュ
俺と民子と零奈が玄関に行くとじいちゃんが入ってきた。
「久しぶりだな民斗、零奈ちゃんと…」
「じいちゃん、この子が俺の妹の民子だよ」
「そうか、この子が…。良かったな民子ちゃん」
「はい!私、お兄ちゃんが大好きです。」
「そうか、昔の伊武ちゃんみたいだなぁ。零奈ちゃんは元気かい?」
「元気ですよ、明斗さんは?」が言うと僕も元気だよ、今日は家に来るんだよね?」
「そうだけど?」
「今日はサニトラで来たから民斗と零奈ちゃんはバイクで来てくれないか?民子ちゃんは僕の隣で」
「いいよな零奈?」
「もちろん、いいわよ」
「じゃあ行こうか」
とじいちゃんが言うと「お願いします」と民子が言った。
「民子ちゃん。敬語じゃなくてもいいよ。リラックスしてさ」
「分かったわ。じいちゃん」と民子が笑顔で言うとじいちゃんは「本当に良かったな」と言っていた。
俺は零奈に合わせてゆっくり走る。
じいちゃんのサニトラが信号待ちで俺の横に並ぶ。
零奈が「先に行って」と合図を出すと俺はMRのアクセルを吹かす。
信号が青いになると加速する2台の旧車。やっぱりゼロハンでは1.2リッターにはかなわず、離れてゆくサニトラ。
俺は「やっぱダメかぁ〜」と笑顔になっていた。
そして俺はじいちゃんの家に着いた。
民子はリビングにいた。
「これお兄ちゃんだよね」と民子はアルバムを笑顔で指さす
。
「そうだな。姉ちゃんに会う前の俺だよ」
「可愛いね〜」
と民子が言った。
俺は妹に可愛いと言われてなんか複雑な気持ちだった。
「じいちゃんは?」
「ガレージに行くって言ってたよ」
「分かった。じゃあ行ってくる。民子は?」
「私も行く」
「じゃあ行くか」
と俺が言った時。
「私も行くよ〜」
と零奈が入ってきた。
俺と民子と零奈はガレージに向かう。
「民子ちゃん。何みてたの?」
「お兄ちゃんのアルバムだよ。可愛いかった」
「可愛いよね〜。私もみたことあるんだ」
俺は二人に可愛いと言われて「そんなに可愛いのか?」と聞いた。
二人は「可愛いの〜」とハモって言った。
俺は二人の方が可愛いと思いながら「そうか」と言った。
そしてガレージに着いて扉を開ける。
そこには一台の原付を整備するじいちゃんの姿があった。
「コレは?」
「スカッシュっていってこの前手に入れたんだ」
「可愛い!」と民子が言った。
「気に入ったかい?民子ちゃん。」
「乗ってみてもいい?」
「家の近所ならいいよ」
「ありがとう、じいちゃん!」
どうやら民子はこのスカッシュが気に入ったらしい。
それから民子はスカッシュで近所を走る。
俺も乗ったが、エンジンの感じはタクトに似ていて、車体は小さい割に安定している。
零奈は「民子ちゃん似合うね〜」と言っていた。
民子はとても気に入ったようで、それをみたじいちゃんは
「民子ちゃん、乗って帰ってもいいよ」
と言ってくれた。
喜んでいる民子に聞こえないように俺はじいちゃんに
「無料でいいの?」
「いいよ。僕は民子ちゃんに喜んで欲しかったからね。」
「じいちゃん、ありがとう!」と笑顔で言う民子。
「どうしたの?」
「嬉しくてついね」
じいちゃんは嬉し涙を流していた。
スカッシュにするか、DJ-1Rにするか悩みました。
小さくて可愛いスカッシュにしました。