空君
投稿遅れました…
しばらくすると、
コンコン…とドアをノックする音と
民子と奈々さんの話し声…
ガチャッ
「お兄ちゃん、来たよ〜」
「本当に民子ちゃんって民斗君にそっくりねぇ〜」
「そりゃ兄妹ですから…」
「お母さん…恥ずかしいから…静にしてよ…」
「あら、ごめんなさいね…」
「それでお兄ちゃん、私を零奈ちゃんのお父さんに紹介してどうするの?
…ハッキリ言ってね?」
(絶対俺の考え読まれてる…)
「えっと…零冶さんに民子を紹介して…話の糸口を作るんだよ」
「…そこまでしないと話せないの?」
「うーん…何を話せばいいのか分かんないから…」
「ねぇ…民斗?
そんなに考えなくてもいいと思うわよ…」
「そうよね〜
じゃあ…ヒントあげよっか?」
「えっ!
本当ですか奈々さん!」
「うーん…そんなに大したことじゃ無いんだけど…
ゼロヨンって知ってる?」
「はい、もちろん!」
「零冶ってそのゲームをやってたみたいなのよ…」
(ゼロヨンのゲームって…!)
「えっと…コレですか?」
民斗が見せた携帯の画面には、90年代のゼロヨンゲームの画面が映し出されていた…
「そう、コレよ!
よくわかったわね〜」
「やってましたから…ありがとうございます、奈々さん!」
(よし!話の糸口は掴めた…
とりあえず民子を紹介しよっかな…)
「いいわよ〜大したことじゃ無いしね」
「よし、じゃあリビングに移動だ!」
こうして話の糸口を掴んだ民斗達はリビングへと移動した。
「お父さん、民斗君の妹の民子ちゃんよ」
「はじめて…民子です」
…突然の民子の登場に零冶さんは驚いていた。
「妹?…
民斗君って兄妹いたっけ?」
「えっと…」
「…私、お兄ちゃんの中に居たんです…ずっと…」
こうして民子と民斗は零奈と奈々さんにフォローされながら真実を話した。
「大変だったんだな…」
そう言った零冶さんは涙を流しているように見えた…
しばらくは間が空いてから零冶さんは笑顔になり…
「ゲームでもしよっか!」
と俺達をゲームに誘ってきた…その顔にはさっきの涙のあとが少しだけ見えたような気がした…。
「ちゃんと話せてよかったね!」
三人で歩く帰り道、
零奈が言った。
「うん、優しい人でよかったよ…」
「家のお父さんが怖い訳ないじゃん〜」
「それもそうだな…
しっかし強かったなぁ〜」
「お兄ちゃん本気だったもんね〜」
「ああ、あんなに強い人は始めてだ…」
「でも民斗、勝ったじゃない」
「でも、俺的には同点だな…
零冶さんは『久しぶ』りだって言ってたし…」
「でも凄いわよ…」
そんなコトを話していると家に着いた。
(あれ?
靴が多い…誰か来てんのかな?)
「ただいま…」
「ただいま〜」
「おじゃまします」
三人はそう言ってリビングに入ると…酒のにおいと二人の酔っぱらいが…
「和樹、もっと飲め〜」
「お父さん、もうムリっすよ〜」
…なんだこりゃ?
「母さん、コレどうしたの?」
「…見ての通りよ…ハァ…」
「民斗、民子、零奈ちゃん…部屋に行こっか…」
姉ちゃんは眠って居る空くんを抱きながら言った…
なんか呆れてんな…
「何でああなったかと言うとね…」
姉ちゃんは相沢家で空君のコトを知り、受け入れた。
その後三人でいろんな所に行ったらしい。
そして和樹さんが
『お父さんに会いに行こう』と言って家にきた…
最初は固まって居た二人だったが、
『久しぶりの再開だから…』と二人にお酒を進めた母さん…
酒の力を借りて二人のわだかまりが無くってあんなコトになったらしい。
「そっか…
母さんのため息のワケがわかったよ…」
「お姉ちゃん…その…これからどうするの?」
「…三人で暮らすわ。」
(ってことは…家を出て行く…そんな…)
「民斗…そんな顔しないでよ…。
伊舞さんはいっつも民斗のコトを考えてたんだから…ね?」
「そうだよ、お兄ちゃん。
自分のコトよりもお兄ちゃんのことを考えてたんだよ?
だからお兄ちゃんもお姉ちゃんっ子卒業だよっ」
「私もできればずっと見ていたいのよ?
でもそれじゃあダメ…民斗の為にも私の為にもね。
…私も離れたくないんだよ…
でも…いつかは離れなきゃイケないんだよ。」
「うーんそうだよなぁ」
(…姉ちゃんには姉ちゃんの人生があって、俺には俺の…)
「ところで民斗…
零奈ちゃんのお父さんに会ってきたんだよね?」
「うん」
俺は姉ちゃんに零冶さんとのことを話した。
「そっかぁ…
いい人でよかったわね」
「そういえば空君って…誰の子なの?」
「えっと…犬よ」
「犬!?…サクラちゃんと一緒?」
「うん、犬種も一緒みたい…」
(空君って、姉ちゃんが結婚したら…姉ちゃんの子供ってコトになるんだよな…)
「ねぇ…お姉ちゃん?
空君ってお姉ちゃんの子供になるの?」
「そうね…そうなるかな?
…でも、空君が受け入れてくれないとダメだけどね」
そう言って姉ちゃんは眠っている空君の頭を撫でる…




