車内と家
俺と母さんと民子は姉ちゃん達より
一足早くに家に向かっていた。
姉ちゃんと和樹さんは空くんの居る、
相沢さん家に行くらしい。
…相沢ってどっかで聞いたことあるような気がするなぁ…
…誰だっけ?
「お兄ちゃんったら…さくらちゃん達だよ」
「あっ、そうだった」
「…ところで母さんはさ…」
「うん、なに?」
「…姉ちゃんと和樹さんのコト知ってたの?」
「うん、知ってたわよ。
だって、ずーっと二人を小さい頃から見てたもの」
「二人のコトって、
…父さんは…」
「もちろん、知らないわよ。」
…やっぱりな…
「なんかそう言うところ…お兄ちゃんにそっくりだね…」
…俺ってそこまで鈍感かな…?
「私は、そっくりって言っただけで、
鈍感とは言ってないよ。」
「鈍感ね…確かに、二人共そうかもね」
…母さんまで…
車が家に近くと、母さんが…
「あれって、零奈ちゃんじゃない?」
そう言って指差した先には
…見慣れた後ろ姿が
…家の方向だよな…
俺は窓を開けて、歩いている零奈らしき人に声をかけた。
(ちなみに車は信号待ちです)
「あの〜」
そう言うと振り向いた、
…やっぱり零奈だ!
「あれ…民斗。
…今から行こうと思ってたの」
「じゃあ、乗りなよ。」
「えっでも…」
「零奈ちゃん、信号変わっちゃうわよ」
「じゃあ…」
そう言って零奈が民子の隣に座った。
「なぁ零奈。
今日って…」
「うん…そのコトで民斗に話が…」
「何?…」
「えっと…
後で話すね…」
「うん」
…何の話だろう?
家に着くと父さんが玄関に来て
「民斗、伊舞はドコ行ったんだ?」と、
聞いてきた。
…何かを感じたんだろう…
「えっと…今は多分友達のトコに居ると思うよ」
「それって誰だ?」
「えっ…」
なんでそんなに聞いてくるんだろう?
ふと、父さんの手を見ると一枚の手紙が…
「父さん、それって何?」
「コレか…」
そう言って見せてきたのは…
和樹さんからの姉ちゃん宛ての手紙だった。
「ちょっと、卓人。
…もう、伊舞は大人なんだから…」
そう言って母さんが入って来た。
聞こえてたのかな?
「えっと…こんにちは」
零奈はそう言って入って来た…
入りずらいよね…
…リビングで民子と母さんが姉ちゃんのコトを父さんに話している間に、
俺と零奈は俺の部屋で二人きりに…。
「それで、話って?」
「…お父さんが民斗に会いたいって…」
えっ…ええ!?
「い…今から?」
俺がそう聞くと零奈はコクリと頷いた。
「…じゃあ、行こっか」
俺はそう言って零奈と家を出た。
途中母さんに
「あれ、二人共ドコ行くの?」
と聞かれたので
「うん、零奈の家」
と答えると、
母さんは
「あんまり遅くならないでね」
と心配そうに言った。
…道が凍っているので歩いて零奈の家に行くことにした。
俺が家を出ると、
外で待っていた零奈が、手を繋いできた。
「ねぇ民斗、
…緊張してない?」
えっ…
「だってさっきの民斗…スゴい変だったよ」
「そりゃ…緊張するさ。
だって、
零奈の父さんだぞ?」
(会ったこと無いケドさ…)
…零奈の父さんってどんな人だろう?




