姉ちゃんと和樹さん
俺は普通の格好に着替えて
…民子は例のサンタクロースの格好をしている…
アレ…なんか違うぞ?
「コレかな…?
…デニムだよ」
スカートにデニム…
「スカートだけじゃ寒いからね」
スカートを履かされた俺って…
…何なんだ?
「民斗…
なんで泣いてんの?」
アレ…涙かな…
「なんか…」
「ごめんね…民斗…
やり過ぎた…」
「…姉ちゃん…」
「なに?」
「その…昨日のコトで思い出したんだけど…」
「もしかして
…カズのコト?」
「うん…
俺が姉ちゃんと出会った頃のコトを思い出してさ…」
「よく覚えてるわね」
「だって姉ちゃん…
…泣いてたもん… 」
「…そうね…でも、
なんで知ってるの?
私、民斗の前では寝てる時しか…」
「うん
…たまに起きてたんだよ…
夜中にも
『カズ…なんで…』って泣いてた…
それしか覚えてないけど…」
たぶん今考えると…そのころに和樹さんと連絡が取れなくなったんだろう。
…姉ちゃんと和樹さんは付き合っていたのかな?
「ねぇ、お姉ちゃん?」
「なに、民子?」
「その…付き合ってたの…?」
…同じコトを考えていたのかな?
「…うん…
高校に入ってからね。
…カズってば、私にその気があるのがバレバレなのに、
そのコトに全然気づいてなくてね。
私から仕掛けたのよ…
『私のコト好きでしょ?』って…
それから私とカズは付き合い始めたのよ…」
「姉ちゃんって以外と攻める方だね…」
「だってカズったら、バレバレだもん…
だから…私からね…」
「その…連絡が取れなくなる前に何かあったの?」
「うん…今思うとね。
あの日…卒業式の前日にカズと約束したの…
『大人になって再び出逢った時…結婚しよう』って
…そのときはなんで再び出逢った時なんだろって…
そこまで深く考えなかったわ、
…ただ格好つけたかっただけって思った…だけどまさか…」
姉ちゃんはそれで泣いてたんだな…
そう思った時…
俺の携帯に純一からメールが…
『近所の公園に伊舞さんのコトを待ってる人が居るんだけど…
本田和樹って…知ってるか?』
…マジか純一!
「姉ちゃん!
…コレ見て!」
俺はそう言いって姉ちゃんに画面を見せる…
「なによ…いきなり?」
そう言いって画面を見た姉ちゃんから
…涙が流れる…。
「…カズのバカ…
連絡ぐらいしなさいよね…」
そう言って姉ちゃんは泣いていた…。
俺は泣いている姉ちゃんを抱きしめながら
「姉ちゃん…
早く行ってあげなよ…泣くのは会ってからだろ?」
「うん…そうだね…
…行ってくる!」
姉ちゃんは涙を拭いて部屋を出る…
「お姉ちゃんと和樹さん
…逢えるといいね?」
「大丈夫だよ…
きっと逢えるさ!」
俺は…
姉ちゃんが遠くに行ってしまう気がした…
「姉ちゃん…」
俺がそう呟くと
…民子が俺を抱きしめてきた…
「…お兄ちゃん…
そんなコト無いよ…
お姉ちゃんはいつまでもお姉ちゃんだからね…」
そう言う民子は、
いつもより大人に見えた…
「ああ…そうだな…なぁ民子?」
「なに?」
「…なんか大人っぽいな」
「ありがとお兄ちゃん!」
笑顔でそう言う民子は、やっぱり
可愛いかった。
コンコン…
「民斗、居る〜?」
母さんだな…
「入っていいよ〜」
なぜか民子が返事をする。
ガチャ
「民子…居たの、
仲良いわね。
ねぇ…
伊舞ドコ行ったの?」
「えっと…
さくらちゃん家の近くの公園。
大切な人に会いにね…」
「大切な人…
もしかして
…カズくん!?」
「うん!」
それを聞くと母さんは
「…行くわよ…」
「えっ…?」
「…今からその公園に…」
「…なんで?」
なんか母さん
…怖いよ…
「なんでって…
大事なコトでしょ!?
…二人がうまくいくのか見届けるコトが」
俺と民子はやっぱり姉ちゃんのコトが気になるので…
母さんについて行くコトにした。




