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第6章 第1節

 荷物を纏め終わって、一旦光一の部屋へと向かう事にした裕樹と宇佐美は、一路裕樹のバイクが止めてある駐輪場へ、

「――なんだか、不思議な気分」

「何が?」

「ちょっと前の、中等部だった頃とは全然違うからさ」

「宇佐美がそう思うのも、無理ないかもな。電子召喚獣を違法改造しての事件はあったけど、量産して来るなんて俺だって初めてだよ」

「保安部って、結構危険な事やってるのね?」

「はっ? ……ああっ、アスカか」

 自分と保安部を繋げる要素を、宇佐美が知ってる理由はない。

 基本的に朝霧裕樹と言う存在は、対外的には用心棒として扱われている為、元保安部である事は知られていない。

「とりあえず聞きたい事は、なんでアスカさんがそんなこと知ってるのよ?」

「本人に聞けよそれ……アスカとは、中等部の頃からの付き合いでね。駆け出しの頃は、休みなのにライブの警備させられたりとか、色々あったんだよ」

「その頃から、今みたいな間柄だったんだね――でも、なんでやめたの?」

「――水鏡グループの奴と一悶着起こしちまって、保安部クビになったんだよ」

 水鏡グループと言われて、ふと保安部訓練の日の夕食後の会合を思い出す。

「それで――あれ? でも、そこのお嬢様は……?」

「そりゃあ、一悶着の原因があのお嬢様との事だからだよ――俺としては、あんま思い出したくない事だけどね」

「……駆け落ちでもしようとした、とかじゃなさそうだね」

「冗談よせよ。そもそも、散々女の扱い方でいじるわ殴るわしといて言う事か?」

「――そっち方面でもなさそうだね。と言うか、女の子の扱い方がヘタクソだって自覚、あったんだ」

「ねえよ」

 吐き捨てるようにそう言って、裕樹は宇佐美にヘルメットを手渡して、愛車に跨る。

「――あっと言う間さ。当時の長官バカは事なかれ主義だったから、水鏡グループに言われるがままに俺を追放。宇宙に用心棒として拾われるまで、大変だったんだよね」

「へえっ、兄さんとはその時から?」

「いや、あいつとは初等部からの付き合いだよ。それがきっかけで、俺は用心棒稼業を始めたんだ」

「ふーん……だから兄さん、ユウの事信頼してるんだ」

「今でもアスカと並んでのお得意様だからね。さて、そろそろ……ん?」

 ふと、裕樹は自身のD-Phoneに着信がある事に気付き、通話モードに。

「はいはい――ああっ、無事だよ。代わろうか?」

「? 誰から?」

「宇宙だよ、一条宇佐美さんとこのお兄さん」


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