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第3章 第9節

『キューン、クゥーン』

『グルル』

「ん? ……ああっ、データ送信終わったか。御苦労さま」

 テーブルの充電器に掛けられたD-Phoneから、電子的な犬と狼の鳴き声がなり、それに気付いた光一が手に取り操作すると――

『ワンっ!』

『――ウォウッ』

 光一の電子召喚獣シラヒメとコクテイが、姿を現した。

「? ねえ、シラヒメと一緒に出てきた、あの黒い狼って?」

「ああっ、見るの初めて? あいつはコクテイって言って、あいつも光一の電子召喚獣だよ」

「へえっ、二体一対型かあ……なんか部屋と同じで、すっごいアンバランスな外見だね」

 全身が真っ黒で、物静かな痩せた狼、コクテイ

 片や、全身が真っ白でメガネをかけ、まだ子供の小さな柴犬、シラヒメ

 光一自身、初見でこの2体が二体一対型だと思った人間は、1人としてあった事がない。

「与えるデータが違うからね。シラヒメは主に、知性的な部分での成果とか経過で成長させてるから」

「じゃあ、コクテイだっけ? その子はやっぱり、保安部の訓練とかの?」

「そうだよ――っと、シラヒメ、コクテイ、ちゃんと届けたか?」

『ワンっ!』

「よしよし、いい子だ」

 光一は2体の頭を撫でてやると、シラヒメは眼を細めて心地よさそうに光一の手に浸り、コクテイはぶすっとしながらも、悪くなさそうに成すがままになっている。

「――外見は違ってても、元は同じだってよくわかる光景だね」

「屋台でも名物になってるよ。コクテイにシラヒメが――おっ、ちょうどやってるな」

 2体が光一から離れて、まずはコクテイが寝そべり、シラヒメがその横に寄り添う様に横になると--

 シラヒメを子供、コクテイが親の和みな光景の出来上がりとなる。

「……写真とらなきゃ」

「って、大抵なるんだよな。主に女子が」

「けど、屋台はしばらく……ふぁあっ」

「あっ、そう言えば徹夜だったんだよね」

「じゃあ俺達、そろそろ帰るわ」

 光一が大あくびをかいたのを見て、2人は帰り支度を始める。

「帰り気をつけろよ? ――朔夜会とやらは、恐らく散発的にテロを起こす筈だ」

「ああっ、わかってる――でも、決起事態は派手にやる筈……だろ?」

「この学園都市に置いて、示威行為に困る事はないからな――あいつ等が狙って来るとしたら、恐らく今週末の……都市朝礼だろうな」

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