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かえる
世話役?なら隣で人が料理しているのを観察。
「今日は揚げ物にするから、カエル揚げるの最後な」
「俺別にカエルじゃなくても良いんだけど。卵でも良いし。カエルより肉が好き。後甘味も。カエルはまるのみ出来るから食べるだけで。鈍いし」
「食べるのな。それでも」
「まぁ、蛇だし?料理するけど?」
「つかさ?あれだよ。生きたまんまだすからやだなんだよ」
「料理したら食べてたね」
「二度と、食べない。二度と食べれない。あんなえぐいの見せられて」
「エグいかな。ふつーに」
「いうなぁああ!」
叫べば指を包丁で切ってしまう。
「気を付けてね」
「はいはい」
血を拭った瞬間から血は止まり傷は癒える。
「こうして見るとやっぱ人じゃないんだって思う」
「ま、神様がくれたチートなんてそんなもんでしょ」
あっさりと世話役が言う。
本日のご飯は和食。
カエルはない。
「家に帰りたい」
呟けば世話役は不思議そうに顔を捻る。
「家はここだろ?」
「そうじゃなくて」
額を押さえながらも溜め息を吐く。