春風が結んだ星の約束
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春風が結んだ星の約束
それは、冷たい冬の風が、優しく暖かな春風へと変わる頃のお話です。
うららかな光の中で、リリアはふと、遠い昔の美しい記憶を思い出していました。
梅の花が咲き、やがて美しい桜の季節へと移り変わる中、彼女の心には、夕暮れの雨に濡れてキラキラと輝く葉桜の情景が浮かんでいました。
「あれは、今でも私の隣で優しく微笑んでくれる、大切な人と一緒に見上げた夜桜だったわね……」
何十年も前のこと。
当時のリリアは、たくさんの人に囲まれ、何が正しくて何が大切かをしっかりと見極められる、聡明な女の子でした。
そんな彼女の前に現れたのが、無口でとても誠実な、シルバという名の男の子でした。
リリアは、彼のあまりの素敵さに、自分のすべてをかけて恋に落ちました。
彼は誰に対しても、そして何に対しても、まっすぐで真面目に向き合う、本物の紳士だったのです。
二人がお付き合いを始めてから、三年の月日が流れました。
シルバは、美しい文字を書き、とても素敵な歌をうたう、品格のある心豊かな男の子でした。
流行りの美しい音楽が流れる街を二人で歩く時間は、いつも楽しさと小粋なジョークに溢れていました。
けれど、シルバは決して節度を崩しませんでした。
リリアの手を優しく繋ぐときも、そっと口づけを交わすときも、いつもリリアのことを一番に気遣い、大切に、大切に守ってくれたのです。
「この人は、本当に温かい家庭で、深い愛情を受けて育った、信頼できる人なのだわ」
そう確信したリリアは、これまでの不確かな関係や、あやふやな思い出をすべて綺麗に片付け、シルバだけを見つめて生きていくことを心に決めました。
ある日のこと、シルバはリリアの目をまっすぐに見つめ、静かに、けれど強く言いました。
「僕と、これからの未来を一緒に歩んでくれませんか。婚約しよう」
その一言に、リリアの頬は、まるで春の桜のようにぽっと赤くなりました。
嬉しさに胸を膨らませてお家に帰り、お父さまとお母さまに「婚約をしたの」と報告すると、二人は心から祝福してくれました。
そして、シルバの両親からも
「いつも仲良くしていることは知っていましたよ。今度、ぜひ私たちの家にも遊びに来てくださいね」
と、温かく迎え入れる優しい言葉が届いたのでした。
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