表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

かつて僕らは親友だった

作者: 永進
掲載日:2026/04/29

『真の親友』のために『偽の親友』を地獄へ。


縛り:文字数1200文字まで。

「シュウ、シュウ、シュウ」

呟きながら、僕は探す。


机には大量の紙。

持っているものは黒色のボールペン。


他の人たちは良いところを、だって僕は何もされなかったから。

犯罪者にも楽園を。いや、遺族のために少しはキツい『異世界』に『転生』させるけど。


けど、アイツは、アイツだけは…。


今日こそ死んでいないか。


今日が何年で、何日なのか、僕には分からない。


『この空間』に時計はない。

だから、そもそも『今日』なんてものはないのかもしれない。


今や今やと、僕は探している。


『真の親友』を殺したアイツ。


あの『偽親友』、(シュウ)を地獄へ。

それも、大地獄へ。




『真の親友』が自殺するまで、僕ら3人は確かに親友だった。


『真の親友』、(タイラ)

『偽の親友』、(シュウ)

そして、僕。


僕たちは『オタク仲間』だった。

アニメ、ライトノベル、マンガなどのオタク。


昨日観たアニメ、小説家になろうに投稿された作品、今流行りの作品について。

高校の教室でバカみたいに話し合う、

でもそれがバカみたいに楽しかった。

それが、僕らの青春だった。


恋人はいなかったけど、大切な日常だった。


僕はほぼうなずくだけの役、タイラが中心、そしてアイツは時々否定してみせる。


けど、タイラは自殺した。

きっと、自殺した原因は 『偽の親友』が裏でヒドイことを言ったから。

だって、それしかないじゃないか。

人が自殺する理由なんて。




僕は事故で死に、ヒトの『転生先』を選んで決める仕事をしている。


『転生先』

『異世界転生』


オタクな僕にとって、天職でしかない。

けど、今は、復讐のために動いている。

シュウを、地獄へ。『真の親友』を殺した『偽の親友』を地獄へ、僕が。


『ここ』にいるから、体は老けない。

高校生のまま。

いつから動いているか、分からない。1ヶ月かもしれない、50年かもしれない、もうシュウは死んで、僕が気付かず『異世界転生』させたかもしれない。そう考えるとゾッとしてしまう。


復讐を叶えず、ずっと生きていたなんて。

復讐が叶わず、ずっと生きるなんて。


「あっ」

つい、声が出る。


田山秀(タヤマシュウ)


紙にアイツの名前が書かれていた。

産まれた年、出身校、間違いない。

間違いなく『偽の親友』。


大地獄、大地獄へ。


はやる気を抑えながら、一応、経歴を見てみる。


『高校卒業後、ライトノベル作家へ』


「は?」


『オタクのために書く、がモットー』


「否定してたのに?」


『80歳、自殺。理由はきちんと死ねなかった親友2人に申し訳なかったから』


「なんで…」

僕は固まってしまう。

既に地獄へ『転生』させる気は全くない。




僕は何のために恨んでいたんだ?

そもそも、『タイラ』の自殺した理由は僕の想像していた『偽の親友によるもの』だったのか?


僕は、死んでしまった。

タイラも死んでもしまった。

シュウは、今死んだ。


…。


『転生先』を、『真の親友?』の『異世界転生先』を、決めないと。


楽な世界へ。


そして、

「読めたら、シュウの作品を今度読んでみようかな」

息を吐いて僕は呟いた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ