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The Park Talk  作者: 白時
4/7

4夜 「知ることは愛である」

 10月31日、21時43分。冬山蒼桜はスーツに薄い上着を着て、駅方向から公園に向かう。


非行少年はどんな菓子が好きなんだか…


 冬山の手には駅前のコンビニのレジ袋がある。

 いつも通り公園手前の橋側にあるラブホの前で、公園を覗く。まだベンチに非行少年はいない。


早かったか


「よいしょ」

 冬山はベンチに座る。しばらくして、ラブホの角から非行少年が現れた。

「よ」

「よぉ。トリックオアトリート」

「それは俺が言うセリフな?」

 非行少年は、そう言いながらベンチに座る。

「はい。お菓子」

「え、あんたがくれんだ」

「ま、優しいお兄さんだからなぁ」

「フッ。よく言うよ。まあ、ありがと」

 非行少年はお菓子の入ったレジ袋を受け取る。

「学校でも先生たちがお菓子くれてさ。チョコばっかだったんだよ」

 非行少年がレジ袋の中身を見るとポテチとグミ、飴など、色々なお菓子が入っていた。

「あんた、選ぶの下手か?」

「いや、お前が何好きか知らねぇし。いらねぇなら、明日の商談で女の子たちに配っちゃお」

「もらうから!ありがと」

 非行少年はたくさんのお菓子の中から、プリッツォを選んだ。

「しょっぱいのがいいんか?」

「まあ、お菓子はしょっぱい方をよく食うな」

「ふーん」

チカッ、チカチカッ

「ん?」

 2人は上を見る。ベンチを照らす公園灯が狂い出した。

「まぁ、いいか」

「ハハッ!あんたの顔がチカチカしてる」

「お前の顔もな」

「「アハハハッ!」」

 2人揃ってツボに入った。

「あ〜、笑ったぁ」

「なぁ、あんたはなんで今日早く来たんだよ?」

「急にどうした?今まで早く来たことなんて、いくらでもあったろ」

「まあ、そうだけど…。なんか、規則性とか気になるじゃん」

「あ〜。規則性ねー。…あ!今日は逆ナン捕まんなかったわ」

「何それ。ちょっとだるいわぁ。いつも捕まってますってアピールかよ」

「モテちゃって、すみませんね〜」

「でも、クズじゃん。あんた」

「うわぁ。それ言っちゃうか」

「事実じゃん。この前もセフレに殴られて、顔腫らしてたし」


あれは、痛かったな


「彼女ヅラ、めんどいんだよ」

「いや、あれはあんたがわりぃだろ」

「その話はいいだろ?説教するお前はどうなんだよ?」

「そ、それは…」

「「…」」

 2人の間に沈黙が流れる。風が吹き、肌寒くなってきた。

「まだ、童貞ちゃんか。お前だって顔はいいのになぁ。あ!日頃の行いがわりぃんじゃね?」

「うっせぇな。今は部活に専念してんの!」

「はっ!シャイボーイだなぁ!」

「本命をずっと作んねぇあんたに、言われたかねぇよ!俺は一途な男なの!」

「その言い方だと、俺が愛してないのに抱いてるみたいじゃねぇか!」

「愛されもしないで抱かれるなんて嫌だろ…」

 非行少年はふてぶてしく言う。

「「…」」

 2人は少し頭を覚ます。俯き、冬山は聞く。

「…はぁ。愛ってなんだろうな」

「ただ抱いて、抱かれるのが愛とは言わねぇよ」

「じゃあ、なんだってんだ?」

「俺は…」

 非行少年は考え込む。

「愛がなくても気持ちよくなれんだよ?相手をよく知らなくても」

 冬山の言葉で非行少年はピンときたように言う。

「なら、知ることとか、知ってく努力が愛なんじゃねぇの」

「なるほどねぇ。なら、知ってる奴なら誰でも抱けんな」

「そういうんじゃねぇよ…。はぁ」

 非行少年がため息をつきながら立ち上がる。

「もう帰る」

「…またな。非行少年」

 非行少年が帰ってから、冬山は真剣に考える。


知ることが愛ねぇ。知りたい奴いるかな…?


 冬山は帰路である駅の方へ歩き出す。橋を渡った先のラブホに1組の男女が消えていった。

4夜、最後まで読んでいただきありがとうございます

今日1日、お疲れ様です

明日も投稿するので、お楽しみに

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