2夜 「生きる意味は生存本能」
生きる意味…
奥が深いですよね。
あ、ちなみに私は、男の意見派ですね。
しいて言うなら、犬ですかね?可愛いですよね。犬
8月29日。22時07分。春川一樹は半袖短パンで玄関に向かう。
「散歩行ってくる」
「気をつけるのよ」
「わかった」
ガチャッ、キィー
あっちぃな。クソ
いつも通りの散歩コース。公園に行くと、男がベンチに座っている。春川は男の隣に座る。
「よぉ。非行少年。ちょっと相談」
「…何?」
「そんな構えんなって」
あんたの相談は大体セフレのことだろ
「実はな、後輩が会社辞めたい、死にたいって。もう、生きる意味を失ったって。俺は生きる意味とか考えたことないから、なんて言えばいいのかわかんなくて」
「後輩ね…。」
「あ!今、こいつ他人の心配できるんだ〜って思っただろ?」
「ちげぇし。真剣に悩みの解決策を考えてたし」
「ふーん?で、なんて声かければいい?」
「あんた、自分で考えたの?」
「考えたけど…。よくわかんねぇ」
男は本気で悩んでいるようだった。
困ってる顔も面白いなぁ
「まぁ…。生きる意味とかって、考えるもんじゃないんじゃない?」
「そーくる感じね〜」
「だって、意味を感じたいから生きてるわけじゃねぇし。意義とか価値とか、意味とかだけが生きていく理由になるのは…寂しいよ」
「寂しい?」
「うん」
「具体的には?」
「具体的?えっと…。俺は、生きる意味じゃなくて、生きる中でなんとなく、分岐点みたいな目標?程度にそういう…」
男が春川の頭をワシャワシャと撫でる。
「ちょ、なんだよ?」
「頑張って考えてんなぁって思って」
「だって、相談だろ?解消してやんないとダメだろ」
「真面目〜」
「は?そういうあんたはどうなんだよ!」
「俺は生きる意味とか考えたことないけど…。そうだなぁ」
男は、顎に手を添えて少し考える。
「なんとなく?心臓が動いてるから、生きる。それだけ」
この人、本当に考えたことねぇんだ
春川が黙っていると、男は少し考えて言う。
「あ!でも、死ぬ!ってなると生存本能で勃起するらしい」
「…は?」
「すごくね?生存本能。俺、それは見てみたいんだよなぁ」
「しょうもねぇな」
「はあ?そんなことねぇよ!生存本能なめんな!」
あんたがしょうもねぇんだよ…
「はぁ。聞いて呆れるわ。俺の真面目返せよ…」
「呆れた?」
「あぁ!めっちゃな!」
「わかったよ。怒んなって!アイス買ってやっから」
「マジ?なら、いくらでもしょうもない話聞くわ」
「その言葉、忘れんなよ?」
男はラブホ前にあるコンビニに行って、アイスを2つ買った。
「これ、お前のな」
男が春川に買ったのは、マンゴーのアイスだった。男は自分用にクッキーアンドクリームのアイスを買った。
「マンゴーか。センスあんじゃん」
「お前に言われてもなぁ。どうせなら、No.1キャバ嬢に言われてぇ」
「は?俺はNo.1キャバ嬢以上の男ですけどぉ?」
「はいはい。そーですねー」
時刻は23時。ラブホに1組の男女が入っていった。
「ありがとな。非行少年。またな!」
「ん?まぁ、じゃあな」
〜翌日〜
男は後輩の灰岡と会社の屋上にいた。
「どうしたんすか、冬山先輩。俺、もう辞めるすけど…」
「辞めるのは、好きにしろ。ただ、死ぬなよ」
「でも、もう嫌なんすよ…。辛くて…」
「…なぁ、灰岡?」
「なんすか、先輩」
「人間って、死にそうになると、生存本能で勃起するんだって」
灰岡は目をパチクリさせる。
「…はい?」
「だから、生存本能で勃起すんの!」
「あ…。えっと…」
「俺は…お前の"勃起死体"を見たくない…!」
灰岡は正直、呆れた。冬山は疲れているんだと思った。
「先輩、疲れてるんすね」
「え?あ、あぁ。疲れてる…疲れてるよ。だから、辞めんな」
「はい…」
灰岡は困惑した。理解ができない状況で、先輩に呆れた灰岡は、考えることを放棄した。
「よし。部長に呼ばれるから、早く戻れ」
「あ、はい」
灰岡は非常階段へと向かって、デスクに戻っていった。
「よぉ。一服しに来たら、お前が灰岡説得してたから、俺、感動しちった」
「なんだ。島涼か」
背後から男に声をかけたのは、同僚の島涼だった。
「一服するだろ、蒼桜?」
「いや、今絶賛、禁煙中」
「はあ?お前が?どうして?」
「いや、言われたんだよ。くせぇって」
「はっ!女かよ」
「ちげーよ」
「俺には誤魔化し効かねぇよ?」
「はぁ」
冬山は頭を掻きながら、ため息をつく。
「ほら。話して楽になれ」
「…未来ある子供には、健康でいて欲しいだろ?」
「もしかして…デキ婚?」
「もう、いいだろ?俺は戻る。匂いつくからな」
冬山はデスクへ戻っていった。
後輩の灰岡は辞めずに済んだという。
2夜、最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんの生きる意味って、なんですか?
是非教えてください
明日も投稿するので、お楽しみに




