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TSしたからバ美肉ということにして配信をしてみた  作者: 大崎 狂花


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10/19

第10話 見守りホラー配信

今回は少し短めです。すいません。

「はい。えーっと・・・・・・」


『なんだ? 今日はいつになくテンションが低いな』


『どうしたんだい? キョウカおじさん』


 不思議そうにするコメント欄。それを見て、シオは叫んだ。


「当たり前でしょ! テンション高くなるわけがないんだよ、これからホラーゲームやるって時に!」


 そう、今回のキョウカの配信はホラーゲームをやる配信だ。しかし、今日はそれだけではない。ただホラゲーをやるだけではなくて・・・・・・


「まー、いいじゃんいいじゃん。今日は私がそばで見守ってあげるわけなんだし」


 そう、今日はシオが1人でホラーゲームをするわけではない。Vのママ、ユキがシオのことを見守ってくれているのである。見守りホラー配信だ。


「それが嫌なんだよ、からかわれそうで・・・・・・」


「まあまあ、今日はオフコラボなわけだしさ。どうしても怖くなったら私が手とか握ってあげるよ?」


「なんだそれ? きしょ・・・・・・」


『お、これはてぇてぇか?』


『これはてぇてぇだな。てぇてぇに違いない』


『なんか仲の良い友達みたいな距離感でいいね・・・・・・てぇてぇだね・・・・・・』


「これっててぇてぇかな? 普通の友達関係だと思うけど・・・・・・」


『きしょありがとうございます』


「一般通過変態いるな・・・・・・」


 さて、配信を始めるにあたって、とりあえずシオは


「さてと・・・・・・せっかく俺とユキの初コラボなわけだし、少し雑談でもする?」


 そう提案した。時間稼ぎだ。


「はい遅延行為やめようね〜」


「い、いや別に遅延行為とかじゃないし・・・・・・ただ単純に雑談したかっただけだし・・・・・・全然今すぐにでも始められるし・・・・・・」


『強がりかわいいね・・・・・・』


『強がるおじさんかわいい』


『強がるおじさん、これは普段は見られない一面だ』


『幼女みが増してていい』


「じゃ、始めよっか?」


「あっちょっと待って。別に大丈夫だけなんだけど、大丈夫なんだけど、ちょっと心の準備を──」


「えい」


「は?」


 シオは少し待ってもらおうとしたものの、無慈悲にもユキにスタートボタンを押されてしまった。


「お前さ・・・・・・」


「さ、始まるよ! 気合い入れていこう!」


『ユキさんすっごくにやにやしてらっしゃる・・・・・・』


『キョウカおじさんをいじめるとは、彼女はとてもいい趣味をしている』


「いや、全然いい趣味じゃないよ・・・・・・うー・・・・・・怖い・・・・・・」


「怖いの?」


「いや怖くないよ? 全然余裕だし・・・・・・」


「声震えてるけどなあ」


 シオは恐る恐る進んでいく。舞台は洋館。今回シオがやるのは、人っ子1人いない夜の洋館を探索するという王道系のホラーゲームだ。


 ゲームの主人公が持つ懐中電灯の明かりだけを頼りに、洋館の中を進んでいく。


「・・・・・・」


「今のところは何もないね」


「いや、油断しちゃならないよ。こういうのは急に来るものだから・・・・・・」


 と、そんなことを言っていると画面の中を何かが横切った。


「ひゃっ! な、なんだ猫か・・・・・・」


「ひゃって。怖がり方完全に女の子じゃん」


『女の子だな』


『そうだな、完全に女の子だ』


『めちゃくちゃに可愛かったな・・・・・・』


『奇跡みたいにかわいい』


「いや怖いことあったらおじさんでもああいう声出るでしょ」


『出ないです・・・・・・』


 と、ユキがスッとシオの方へ近づいていくと、ニヤッとした表情を浮かべながらシオの脇腹をスッと撫でた。


「きゃっ!? ちょっと、脇腹撫でないでよ・・・・・・」


「えー? いいじゃーん。今の声可愛かったよ?」


「うざい」


『なんかイチャついとんな・・・・・・』


『イチャイチャいいな。イチャイチャいい』


『羨ましいよ・・・・・・俺もおじさんとイチャイチャしたい・・・・・・』


「い、イチャイチャ? いや、そういうのじゃなくてこれは普通に友達同士のやり取りだと思うけど・・・・・・」


『いーや、これはイチャイチャだね。日常系のイチャイチャって感じ』


『きらら系を見てる時と同じ気持ちになってる、今』


『そうだきらら系だ! きらら系のイチャイチャだ!』


「きらら系のイチャイチャってなんだよ・・・・・・」


「いやー、キョウカちゃんとこの視聴者さんは相変わらず面白いねえ」


 さて、気を取り直してホラゲーに戻ろう。


 シオは洋館の中を進んでいった。


「早く進みなよー」


「ちょ、ちょっと待って。ゆっくり。ゆっくり・・・・・・」


 もちろん、シオは怖がりながらゆっくりゆっくり進んでいく。


 で、まあことあるごとにめちゃくちゃに怖がった。


「ひゃあっ!」


「ひっ!」


「うわああああああ!!」


「キョウカちゃん怖がりすぎじゃない?」


『いつも大体こんな感じです・・・・・・』


 シオは怖がりまくって、もう息も絶え絶えな感じになっていた。


「もー、キョウカちゃん怖がりすぎでしょー」


「いやいや、大体こんなもんでしょ、ホラゲーやる時って」


「いや、私も多少怖がったり驚いたりする時はあるけど、それにしたって怖がりすぎだよ。こんにゃくに驚いてた時はこいつマジかと思ったよね。あんなのギャグじゃん」


「いきなりゾンビからこんにゃく投げつけられたら誰だって驚くでしょ!」


『というか、今更だけど何このホラゲー?』


『ゾンビがこんにゃく投げてくるのは、ホラーかギャグか判断に困るな・・・・・・』


『製作者は何を思ってこんなシーンを・・・・・・』


 さて、ここまでホラゲーをやってきたわけだが、シオはここに来てついに音をあげた。


「もーやだ! もー怖い! もー一歩も進みたくないよー!!」


「あら、駄々っ子になっちゃった」


『あーかわいい』


『かわいい』


『駄々っ子幼女おじさんありがとうございます』


「まあ、安心してよ。キョウカちゃんがこんなふうになった時のために、ちゃんと対策を用意してあるからねー」


 と、ユキは何やらゴソゴソとしていたが、やがてスッとある物を取り出してくると、


「はい、これ飲んで落ち着いてねー」


 そう言って、ミルクの入った哺乳瓶を差し出した。


 ホラゲーで思考力の若干低下していたシオは、これを素直に受け取って素直に飲み始めた。


「んく、んく・・・・・・」


『あれ? 今日死ぬのか? 俺・・・・・・』


『やばい可愛すぎる』


『可愛すぎて滅』


「はっ! ・・・・・・俺今何してた?」


「お、正気に戻ったかー。じゃ、ホラゲーに戻ろうねー」


「うん、少し落ち着いたな。これならもうちょっと出来そうだ」


 さて、その後も・・・・・・


「キョウカちゃん落ち着いて。ほら、私がイケボ出してあげるからさ」


「いや、イケボなら誰でも良いってわけじゃないんだよ。お前のイケボ聞いたところで──」


「落ち着いて、姫」


「・・・・・・」


『すっごいにこにこしてる・・・・・・』


『イケメンなら誰でもいいんですか!?』


 イケボ作戦とか、


「操作変わってほしかったら猫になって?」


「ご、ご主人様・・・・・・えと、操作変わってほしいにゃん♪」


『可愛さを心臓に喰らってしまってな・・・・・・』


『キョウカおじさんに猫耳なんて、チーズにトマトくらい間違いのない組み合わせだよね』


 猫作戦など、今回のホラー見守り配信はシオの可愛さが特に強く出ていた神回として話題になるのであった。


 ちなみに、おじさんと女の子のオフコラボだったわけだが、嫉妬されるのは主にユキの方であったという話である。


「すごいねー、逆なんだね」


「なんでだろ・・・・・・」

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