用語集&舞台設定
連載中の『HELLO,WONDERFUL STUPID OUTSIDES. 』に登場する独自用語の解説や舞台設定などをまとめて記載したものです。
登場人物の簡単なプロフィールも載せていきます。
物語の進行に併せ、随時更新していきます!
■■■■■用語集&舞台設定■■■■■
「クロノス」
GAIA5.0と呼ばれる現在の大陸全土の中枢機能であると同時に圧倒的支配者組織。
〈ユートピア〉と呼ばれる大陸で最も安全な内陸地帯に位置している。
「ユートピア」
大陸で最も安全な内陸地帯。大陸内でも上位数%の超上流階級者しか出入りできない。
入域には専用の通行証が必要。
「アトランティス」
ユートピアの外側の地帯。広大なので、穴痔アトランティス内でも、貧富の差などは住む地域によって激しい。とくに〈バルバロア〉の近くの地域は荒れている。
「オーデ」
未知の力による災厄の総称。
元来は天災のように人の意志を持たぬ存在だったが、近年現れる“人為を宿したオーデ”は、契約者〈クグリコ〉の意志を反映しているとされる。
「クグリコ」
誰にも弔われずに「黄泉のくぐり戸を越えられなかった孤独な魂」たち。
行き場を失った彼らは、還るべきお宿が分からず、終わらぬ永遠を果てしない年月彷徨ううちに、やがてオーデと契約し、その力を操る存在となる。
近年出現する“人為を宿したオーデ”の正体は、このクグリコだとされており、彼らを止められるのは”導守”だけである。
どのオーデと契約にいたるかは、天性の性質や生前の体験がもたらす深層心理によるものと考えられており、クグリコによって異なる。
「導守」
クグリコをあるべきお宿に導くことを生業とする、異能の担い手達。
しかし近年、オーデと契約したクグリコを止められる唯一の存在として、大陸第四防衛戦線に認定され、大陸をオーデの脅威から守る主力部隊として、クロノスはじめ諸外国から特別な待遇を受けている。
本来は戦うために生まれた者達ではない。
「導守の特徴」
1.親が導守でも、その子供が同じく導守としての異能を持って生まれるとは限らない。出現に規則性がなく、異能持ちは実に貴重。
2.異能持ちは、片手小指に特殊な刻印の様な痣が出現する。これが出現したら、導守としての異能を有しているという証であるため、素性がばれぬよう、グローブや包帯、指輪等で痣を隠すのが通例。
また、痣の出現タイミングには個人差があり、特に生後~5歳までに痣が出現した導守は通称”サラブレット”と呼ばれ、特別な才能に恵まれていることが多いとされている。
その希少性から、闇オークションで高値で取引されるケースも後を絶たない。
3.導守はその特殊性・希少性から、身代金や人身取引などの犯罪の対象となりやすい傾向があり、彼らの敵は実にオーデだけではない。
よって彼らは常に顔を隠すための仮面をつけており、護衛であるFANGにすら素性を明かさぬよう、徹底的に保護されている。
4.異能持ちの代償で、通常の人間より短命。痣の出現タイミングが早ければ早いほど短命な傾向がある。
5.クグリコを見つけ出すための特殊な眼を有しており、やや個体差はあれど大体が琥珀色のような美しい眼をしている。琥珀色の眼は光などの刺激に敏感であり、彼らの目は通常の人間よりも疲れやすい。
サングラスや遮光コンタクトなどのアイテムで目を保護している者が多い。
「導守の異能」
導守は、本来見えないはずの死者の霊であるクグリコを可視化し、さらに彼らの記憶情報から、「転生」のお宿に導くか、あるいは「執行」する形で罰し消滅させるかの判決をくだし、実行することができる。
「開廷」と唱えることで、クグリコを可視化するための特殊空間である「審議署」を開くことができる。
審議署空間では、オーデ(クグリコ)からも生者であるこちら側が可視化されるため、対話などの接触を試みることができる。
上記開廷中のみ、小指の痣の力が発動する。対象者の首のリードと、痣から伸びる鎖を繋ぐと「記憶の同期」が開始し、そのオーデ(クグリコ)の記憶情報を見ることができる。
見れる記憶情報は有象無象全てではなく、最終的にそのオーデ(クグリコ)の転生or執行を決めるために必要な情報箇所のみである。
記憶情報は導守の持つ「審判」の力によって高速処理され判決が下る。よって転生or執行の判決に、導守自身の考えや感情は一切加味されず、公平な判決を下すことができる。
判決が下ったあと、導守は”道”と呼ばれる特殊な導を描き、対象のクグリコをあるべきお宿に還すための処理を行う。なお、道には膨大な種類があり、導守は全ての道を描けるようにならなければねばならない。
「導守の育成」
導守の中には古来の血統系譜により「本流」と「支流」がある。
本流は、所謂名門と呼ばれる由緒正しき血統で、その姓の門下を構えている。
対する支流とは、名門以外の生まれの導守である。彼らは家を出て、自身の生まれの血統系譜が近い本流の屋敷へ集約され、そこで導守としての教育を受けることとなる。
このように支流が本流の屋敷で教育を受けることを「その門下の門下籍となる」と言う。
「導守の各種俗称」
1.黒渡
これを使うのは主に民衆。
公務の際、導守は全身を覆う装備をまとうが、それが漆黒であり、更に彼らを守るFANGもまた同じく黒い軍装を纏って周囲に立ちはだかる。
まさに暗がりを駆ける黒装束の集団。その光景や謎多き異質な存在に、不気味さやある種の恐怖を感じた人々が、いつしか彼らを“黒渡”と呼び始めた。
2.番犬
この言い方をするのは、導守をどこか軽んじていたり、駒としてしか見ていないスタンスの者達。
主にユートピアなどに住む上流階級や、反対に導守による保護の管轄外であるバルバロアの住人などが皮肉を込めてよく使う。
3.現世の門番、冥番
大陸第四防衛戦線となった「導守の役割」にフォーカスした呼び方。
ニュースの見出しなどのメディア発信の際によく目にする。
「白冠」
導守の中でも、卓越した力と功績を持つ者に与えられる最高位の称号。
叙任時には白塗りの特製仮面が贈られ、以降それが白冠の証となる。
この仮面は名誉と実力の象徴であり、どこも自分の門下から白冠を輩出しようと、躍起になって育成に力を入れている。
「死神」
白冠の中でもデッドアサイン案件を専業でこなす真の実力者の俗称。
謂わば「白冠の最高峰」。
引き連れたFANGが全員死んでも、確実に敵を葬り帰還する様がまるで死神の様だと語られた事に由来する。
謎に包まれており、膨大な報酬で動いているなど噂ばかりが一人歩きしている。素性を知る者はごく限られた人間のみで、民衆には信じていない者も多い。
「トワイライト・アワー」
夕方過ぎ〜明け方の、クグリコの”印”が見つけやすくなる時間帯。
よって通常、導守やその護衛であるFANGの活動はこの時間帯にアクティブになる。
彼らが夕方過ぎ〜明け方の襲来対応をし、明け方以降に警察や自衛隊が救護・捜索活動を開始するパターンが通例。
また、強いオーデほど、トワイライト・アワー関係なく出現する傾向にあり、近年こうしたイレギュラーがよく起こり導守が疲弊する原因にもなっている。
「オーデのランク」
オーデには脅威の度合いからランクが存在する。
現在のランクは、五段階ランクで定義されている。※下にいけばいくほど強い
かつてはパルファンまでの三段階だったが、近年オーデの凶悪化が進み、既存の3段階ランク以上の脅威を新たに定義つける必要が出てきて五段階となった。
――――――
コロン
トワレ
パルファン
Q
K
――――――
名称の由来としては、かつてオーデという音から、香水の名称に発想を得た者によって、コロン→トワレ→パルファンという名称が採用された。所説ある中でも、こうした発想ができたことから、最初に定義したのは女性ではないかという説が未だに根強い。
そして近年新たに定義さてたQおよびKに関して。
パルファンの頭文字であるPよりも強いという意味合いで、アルファベット表記で次に来るQを上位ランクとして定義。そしてQよりさらに強いという意味合いでKが最上位に定義された。
なお、QおよびKは主に大陸外に巣くう脅威であり、まとめてQKと表記し、通称”ロイヤル”と呼ばれている。
QKによる大陸襲撃は年々増えており、これが”デッド・アサイン”と呼ばれる死神専門の任務である。
「デッド・アサイン」
その名の通り、生きて帰ないと恐れられる危険度の高い任務の総称。
通常QKのオーデに対峙するもので、致死率は約80%と言われている。
「FANG」
導守を守る為だけに組成されたクロノス直轄の特殊部隊。オーデ以外にも、あらゆる脅威から導守を守ることが職務範囲に含まれる。
強靭なタフさが求められることから、軍の出身者などが多いと言われている。
彼らは、オーデの脅威に対抗するために、戦闘時には一時的にその体力や運動能力を飛躍させるための“V.A.M”と呼ばれる特殊な薬を投与することが任務上必要不可欠。V.A.Mは劇薬であるため、適性検査で耐えうる適性があると判定された者のみがFANGになれる。
こうしたリスクから、平均年収は平均で通常職種の約3倍(専属となれは約5倍にまで膨れ上がる)ことから、志願者の数は、近年警察や自衛官を志願する者と比べても遜色がない。
金目当てでなる者も多く、ある程度稼げたら転身するケースが横行しており、離職率は例年高い水準を推移。
「V.A.M」
FANGが任務時に投与する特殊薬。
クロノスの高い技術をもってしても、投与した人間の寿命を削るほどの劇薬であり、投与者は“ダウンタイム”と呼ばれる投与後、平均約一週間~10日程度の激しい副作用に見舞われ、適性が無い者が投与した場合、最悪死に至る。
ダウンタイムは体のコンディションにもよるが、経験や鍛錬によって最小限に抑えることも可能となる。
※朝霧や高嶺などの実力者となると、パルファンクラスなら約半日程度までに抑えられる。
なお、日々の鍛錬による基礎体力の向上で、V.A.Mを投与できる上限回数を増やせる。
「専属FANG」
FANG最高位である『α』の称号を得た者だけが、自らが命を賭して仕える主を選べる権利を与えられる。それが専属契約であり、契約は、白冠(死神を含む)と結ぶことができる。立候補し、白冠から認定されれば専属契約成立となる。専属となったFANGは主の素性を知ることになったり、秘匿性の高い会議等への参加も解禁となる故、”血誓”と呼ばれる契約を取り交わすこととなっている。
「血誓」
専属FANGが結ぶもの。読んで字の如く、まさに血の誓い。
もし専属FANGのみが許されている機密情報(導守や特殊任務の内容など)を外部に漏らしてしまった、或いはその疑いがかけられ、賛同過半数を獲得してしまった場合は、即死刑となる。
また、専属FANGが自らの主の不利益となると判断した事象が起きた場合(情報漏洩など)、クロノスの許可なく、処分して構わない、という旨の内容が記されている。
「プロジェクト〈Arc〉」
大陸外オーデの討伐および領土奪還を目的として、クロノスが立ち上げたプロジェクト。
アサインされるのは、基本的に、白冠最高峰の死神。
産土や陸が参加する今回は、本プロジェクトでもフェーズⅠとされ、通称〈horizon〉と呼ばれている。
「治安税」
ユートピアとアトランティスに住む者がおさめなければならない税金の一つ。
導守に納税されているものである。よってユートピアとアトランティスの全土のどこかにオーデが出現した場合、導守は問答無用で任務に当たり、住民の命を守らなければならない。
「バルバロア」
大陸沿岸部に位置する、政府から見放された未開の地。
ここは導守の治安税の対象外区域であるため、仮にここにオーデの襲撃があっても、政府は導守およびFANGを出動させることは無い。
「白幻街」
バルバロアの一角に位置する、朝霧の故郷。
路地裏では、喧嘩、売春、賭博、殺しが日常茶飯事に行われている、貧者と漂流者の街。
しかし、その特殊な地形の影響で、時折、晴れてる日に雪が舞う”天気雪”と呼ばれる現象が名物。
街の内情はさておき、その美しい光景だけがフォーカスされやがて“白い幻の街”と呼ばれるようになった。
■■■■■登場人物プロフィール■■■■■
「篁 陸」(26歳)
本作の主人公。自衛官として、堅実且つ平凡な日々を送っていたが、唯一の家族である兄を取り戻るために行動を起こし、やがて未曽有の事態に巻き込まれる。
▽detail
・なんでも卒なくこなすバランス型。本人は尖った何かを持っている人に憧れている
・対立するより自分が譲って場を治める
・天性の人たらし。自覚はない
・一人暮らし歴が長く、家事・炊事全て◎
・休日はマンガを読んで過ごしたりと、見た目のわりにインドア派にも寄り添えるタイプ
・兄が天然なせいか、しっかり者に育った
▽looks
180cm/筋肉質/骨格ストレート/黒髪短髪
「篁 海」(32歳)
陸の兄。オーデに関する研究をしており、この若さでクロノスからスカウトされ機密研究施設”アルカナ”の最先端研究チームに所属する超エリート。
▽detail
・温厚且つやや天然
・1日中研究しているので、夜型か朝型か聞かれても答えられない
・自宅でハーブを育てたり、料理が得意
・私服センスが独特。分かる人には分かるらしい
・「髪型と服さえ何とかすればモテるのに」とよく言われる。余計なお世話である
・少し歳の離れた陸のことがとても可愛い
▽looks
185cm/鍛えてないので線は細め/よく見ると美形だがぼさぼさの前髪で顔がかくれがち/髪はゆるく癖毛/めんどくさいので自分で適当に切ってる
「久遠 天愛」(21歳)
若くして”死神”と呼ばれる導守の最高峰の一人。
過去にとらわれ、生きる理由を見つけられないまま、淡々と使命をこなす青年。
何事にも冷めた目をしていることが多い。
▽detail
・基本人間が嫌い。でも動植物にはやさしい
・好物は”La Couronne Doree”の高級プリン。高嶺が買ってきて以来ハマっている
・第六感や直感が鋭い
・考え事をしているときは、唇の下のラブレットピアスを触る癖がある
・低血圧。調子が良いのなんて年に5日くらいらしい
・体力より頭脳で勝負させてほしい
▽looks
174cm/色白/大きめの釣り目に小さな唇に八重歯と猫の様な顔立ち/華奢で細い/肩より少し長めの銀髪にところどころ紫がうっすらと入っている
「高嶺」(36歳)
久遠の専属FANG。忠誠と品位を重んじる硬派な完璧紳士。
久遠を「我が君」と呼び、仕えることを誇りとする。一見照れるような言葉を平気で言えてしまうのも、真心ゆえ。
▽detail
・過保護。もはやFANGではなく専属執事……を通り越して、むしろおかん
・人当たりが非常によく、誰にでも礼儀正しい
・生真面目だが、時折天然発言で周囲がざわつく
・いつ何時でも久遠を守れるよう、休日でも、軍服着用でスタンバイ
・睡眠の質が異常に高く、どこでも即熟眠可能
▽looks
193cm/恵まれた体躯に端正な顔立ち/ややたれ目がちのバーガンディ色の瞳/高めの鷲鼻/かちっとジェルで固められた横分けプリンススタイル
「朝霧」(43歳)
産土の専属FANG。愛称は「あんぱん」。
金・権力・女……全てに無関心。デッドアサインにしか興味のない変人戦闘狂。
人間離れした異常な強さは、関係者からも狂犬と恐れられている。
▽detail
・ヘビースモーカー。やや治安悪めの危険な雰囲気
・日本刀の様な武器を使いこなす剣士
・ルーティーンは、愛刀の手入れと筋トレ。筋肉痛を愛している
・味覚音痴。故郷のあんぱんが旨かったことだけは覚えている
・寡黙で、無骨な雰囲気が「案外落ち着く」と陸や久遠が静かに隣にいることも多い
・自らの目的のために、産土と運命を共にする
▽looks
196cm/壁のように聳え立つ屈強な体格/切れ長で虚ろなグレーの瞳/同じくグレーの髪はさらりとしたストレート/無精髭/左耳が無い
「ラヴィ・アグニシャル」
現役死神のうちの一人。導守となったのは後発組だがあっという間に死神にまで登り詰めた。
生まれながらにして、屈強で丈夫な肉体と戦闘センスなど恵まれた資質を持つ。
死神には珍しく、太陽の様な男で、周囲からの人望も厚い。
▽looks
身長は200cm超え/基本上半身は裸/ワイルドな長髪/両肩から両腕・腰まで届く派手なタトゥーがトレードマーク/茶褐色の肌/壁のように聳え立つ屈強な体格
「白石 凛」
現役死神のうちの一人。
女に生まれたことを歓迎されていないことを知った日から、男として生きていくことを決めた。
父親に認めてほしい一心で死神まで登りつめ、戦果を挙げるために〈Arc〉に参加した。
▽looks
170cm/艶のない黒髪/無造作なショートカット/露出を抑えたダボついた服装/左の額から頬にかけて大きく走る古傷/肌は日焼けに近い小麦色/無骨で飾り気ない整った顔立ち
「ダリウス・アズマ」
現役死神のうちの一人。
常にポーターフェイスで感情の起伏が極端に薄い不気味な雰囲気の男。
切れ者、圧倒的安定感に定評がある。下された任務を淡々とこなす。
▽looks
190cm/黒髪と銀髪のメッシュ/日本人離れした英国人風の顔立ち/色白/常に黒スーツ/こだわりの眼鏡/着やせするため着衣時は細身に見える