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出会い

 電車を何本か乗り継いで3時間、駅からバスに乗って2時間、日が落ちる頃にやっと山の中腹にある温泉街に到着した。

 なぜこんな遠くまで来ようと思ったのか、自分でもあまり覚えていない。ただ遠くへ行きたかった、そのぐらいの理由しかなかったのだと思う。降り立ったバス停の時刻表を見てみる。市街地方面へのバスは18時が最終らしい。今日のうちに帰ることはこの時点で叶わなくなったが、帰る気もないからいいだろう。

 にぎわいを見せる街の中心部を抜け、薄暗く草木が生い茂る山林へと入ってみる。

 5分ほど歩いたときだろうか。背後から声をかけられた。


「お前。ここでなにをしておるのだ?」


 誰かに声をかけられるなど思ってもみなかったから心底驚いた。

 慌てて振り向いてみると、和服を身に纏った、獣耳と尻尾が生えている狐のような者が立っていた。

「何をそんなに驚いた顔しているのだ。驚いたのはこっちじゃ」

 それもそうだろう。ここまで全く人気を感じていない。

「悪いことは言わないから戻れ。ここから先に来ても帰れる保証はどこにもないんだぞ」

 そりゃあ、あなたみたいな妖怪に出会う時点で帰れる保証なんてすでにないよ。

「帰る気もないから進ませてくれ。それにあなたは妖怪かなにかなのか?」

 そう言うと、混乱と呆れが混じった表情で言い返してきた。

「帰る気がないと言うのなら私に付いてくると良い。寝床ぐらいは貸してやるぞ」

 普段の自分なら絶対についていかなかっただろう。だけど今の自分は怖いもの見たさだろうか、ついて行くことにした。

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