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第99話 天に上る雷

校庭の熱気は雨と風に流され、ただ降り注ぐ雨粒が雷光を反射して煌めいていた。

そしてよく見ると杭のような物が円形に打ち込まれていて、それをワイヤーの様な物で繋いでいる様だった、その先は寮の屋上へと繋がり、その先には長い鉄棒が立てられている。

「これはいったい何ですか」

率直な疑問をジャッキーに投げかけた、暴風雨に晒されながらも両の目を開いたままのジャッキー先輩が僕の方を向くと、

「どうやらこれが有ると雷避けになるらしいんだ、本当ならもっときちんとした物の方が良いと思うが、あり合わせで作ったにしては上出来だろう」

雷を避ける、あんなに凄い物をこんなに簡単な装置で避けれる物なのだろうか、にわかには信じられないが、今は疑ってかかる溶融など無い、

「シリル、その小瓶を大体で良いから真ん中らへんに置いてくれるか」

「わかりました」

言われた通りに小瓶を置く、淡い光を放っていた小瓶だったが、次第に光が強くなってきている気がする、

「ようしそれで良い、危ないから離れていろよ」

小瓶から離れてしばらく待つとどんどんと小瓶の輝きが増して来ているのが感じられた、

「ここまでは上手くいっているな、俺が合図をしたら何が有ってもこの布で小瓶を包んでくれ、失敗したらとんでもない事になるかも知れない」

僕はジャッキー先輩から布を受け取った、今から何が起こるのかは僕にはまだわからない、ジャッキー先輩たちもどうなるのかは知っているはずだが、今から本当にそれが起こるのかはわからないようだ。

だんだんと雷鳴が近くなって来ている気がする、落雷も体験した事が無い程光り輝き、轟音を響かせている。肝心の小瓶も落雷に負けないくらい輝き始め、いまからあれに布を被せてくれと言われたら断りたくなるほど怪しく強く光り輝いている。

「来るぞ」

ジャッキー先輩が叫ぶ、一体何が来るんだろうか、そしてそれはすぐに来た。

小瓶に雷が落ちた、それは爆音と共に辺り一面が光り輝き、太陽が落ちて来たかのような眩しさに目が眩んでしまった。

落ちた雷は小瓶から周りに張り巡らされた杭に伝わり、ワイヤーを通って寮の屋上から天へ向かって解き放たれた。

地に落ちるのが落雷なら、天に昇って行くのはまるで竜が翼を広げ空に羽ばたいて行くかのような錯覚を覚えた、

「今だ、シリル小瓶を隠せ、次が来てはまずい」

僕が落雷ならぬ昇竜雷に見惚れているとジャッキー先輩に現実に呼び戻された。僕は言われた通りに小瓶に向かって駆け出したが、その足を止めざるを得ない衝撃に捕まってしまった。

大きな鳥、最初の感想はそれだった。それは仕方が無い、だがその敵意を察知する事が出来たのは命がけになると言われていたから、それは絶対にこれだと確信が出来たから。

「レイラ、拘束をして」

ジェイミーの叫び声が聞こえる、翼を広げれば優に僕の二倍は有ろうかという大きな鳥、雷と、大きな鳥、二つの言葉が僕の中で繋がった、もしかしてこれがレイの言っていた雷鳥なのか。

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