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第86話 電気の力

「最近出来た新しい技術らしくて、詳しい事はまだ機密事項らしいんだけど、電気って言うらしいんだ」

「電気・・・、聞いた事無くて当たり前か、新技術なんだから」

「聞いたことは無くても知ってる事だぜ、雷は解るだろ、あれと同じ物らしい」

天から舞い降りる落雷と同じと聞いて僕は背筋が寒くなった、と同時に死線を潜らされていた事に腹が立った、

「ちょっと、そんな恐ろしい物だったの、それは酷いよ」

激昂する僕を宥めながらアレックスは続けてた、

「落ち着けよ、雷と同じとは言ったけど戦っていても全然違っただろ、同じだけど違うんだよ」

「言ってる意味が解らないよ」

「魔力にも出力の調節が有るのは知ってるだろ、当然この剣も出力調整されてるんだ、そうじゃなきゃここに持ち込んで友達相手に使わないよ」

「それでもまだ左手は痺れてるけどね」

「悪かったよ、でもなんで左手なんだろうな、どっちかというと右手の方が痺れてくるはずなんだけど」

「そんな事は解らないよ、でも何にしても凄い技術だね」

「まだまだ開発途中だけどな。それに、シリルに勝っていたとしても次の試合にはこの剣は使えくなってたみたいなんだ、剣に貯め込んだ電力が全部無くなってるから、出力を押さえていても左手一本痺れさせただけじゃあ、狩りに使うには当分の間は無理かな」

「そうだね、せいぜい満月熊かサーベルタイガーぐらいにしか使えないね」

「電気を貯め込む技術と放出する技術はこれからだな、素材はそこそこ出回り始めてるけど、それは雷鳥から取った物だけで、もっと凄いのが他にも有るらしいんだけどそれは無茶苦茶高価な上にほとんど出回らない物らしい」

「雷鳥からとれるんだ、前にレイが狩って来たのを食べた事あるんだけど、ピリピリと刺激的な味がするのは電気の所為なのかな、でも物凄く美味しかったからまた食べたいな」

「アルデンサルから出て来た技術らしいから、ほら沢山雷鳥を狩ってるらしいじゃないか。雷鳥の骨や羽根から魔力を抽出するよりも、電気にした方が効率が良いのかも知れないな、肉は高値で売れるから儲かってしょうがないだろう」

「雷鳥は狩るのも簡単だって言っていたしね、まあそれはレイ達が言う事だから鵜吞みには出来ないけど」

「俺が聞いた話しだと、雷鳥を一羽狩るために狩竜人船の魔力炉が一つ壊れるって聞いたぞ、魔力炉を複数積んでない船は全く役に立たないって」

「それでレイ達も船の修理でアトモスに来たんだよ、案外その噂の出所なのかも知れないね」

「そうかもな、その噂話が出だしたのが数年前かららしいから」

そんな話しをしながらにこやかに勝敗報告をしていると、後方から怒声を浴びせられた、

「シリル、早くしろよ。こっちは待ちくたびれてるんだよ」

声の主はブルーノだった、ご丁寧に後方にはフレッドとウォーレンを従えている、そう言えば何か因縁のある相手なんだっけ、しかし相変わらず小物臭い奴だ。

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