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第83話 非日常な空気

その日の朝は食堂から雰囲気が違った、明らかに寝不足な人やすでに準備運動をしてきたのか汗だくな人、そんな中でもやはりジャッキー先輩は朝から山盛りの食事をしていいて、どこかしら余裕の様な物が感じられた。

そんなジャッキー先輩と目が合ってしまい、会釈だけして立ち去ろうとした僕をジャッキー先輩は呼び止めて来た、

「おはようシリル、お前も腹一杯飯食えよ、何事も腹が減ってちゃあ集中できないからな」

「おはようございますジャッキー先輩、僕はいつもと同じ量しか食べませんよ、今日だけ特別なんて事はしませんから」

「つまんない奴だなぁ、まあそんな事はそうでも良いや」

どうでも良いって腹一杯食べる事は大事じゃなかったのだろうか、それで僕をつまんない呼ばわりとは、どこかレイに似た空気を感じてしまう、

「どうだ、勝ち残れそうか」

ジャッキー先輩の緩んでいた顔が急に引き締まり一段低い声でそう問いかけて来た、僕の答えは決まっている、

「全力を出しますが、勝ち残れるかはわかりません」

「なんだよそれは、俺にも勝って学校代表になりますくらい言えないのか」

隣に王子君がいるのにそんな事言えるわけ無いじゃないか、そういう空気の読めなさは本当にレイを彷彿とさせてくれる、

「まあ良いか今年の代表は恐らく・・・お前も怪我しない様に頑張れよ、今日は夜からひどい嵐になるみたいだからな」

怪我をしない事と、夜からの嵐に何の関係が有るのか解らないけれど、笑顔で返事をしたらようやくジャッキー先輩が解放してくれた。

「シリルが羨ましいと思う反面、そうじゃ無いと思う時も同じくらい有るんだよな」

「んーでも良い先輩だよ、あれくらいでそう思うのなら、とてもじゃないけどレイとは一緒に行動できないよ」

「レイナルドさんはもっとひどい事言うのか」

「例えるのなら、世界で一番切れる剣の柄で殴られるような感覚だね」

「言ってる事は良くわからないけど、ひどい事をされるって事は伝わる」

「いっそ叩き斬ってくれれば良いのにって思うんだ、僕の例えで何と無くでも伝わって良かったよ」

「狩竜人に成れれば顔を合わせる事も有るかもしれないから、余計な隙を見せない様に気を付けるよ」

「隙を見つける技術は剣よりも上かも知れないから、近付かない方が良いかもね、本当に人をからかう事が好きな人達ばっかりだったんだから」

「シェリー先生や、シンディ先生もそんな感じだったな」

「ね、僕がどれだけひどい目に合ってたか知ってるでしょ、そんな人達ばっかりだったけど・・・」

「だったけど」

「みんなと過ごした時間はとても楽しかったんだ、色々な事が有ったけど、本当に楽しかったんだ。そこだけは評価できるね」

「そうか、やっぱりシリルが羨ましいよ」

王子君の言葉に僕は満面の笑みで答えた。

辺りを見渡すと食堂も人が減ってきている、そろそろ行こう戦いの場へ。

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