第58話 後処理
とんでもない事をされたせいで、当然次の休み時間には質問攻めにあった、冷静に話しを聞いて貰おうにも次から次へ飛び交う怒号と野次に僕はいい加減面倒くさくなってしまった。
今回は頼みの王子君も助け舟を出してくれず、みんなと同じように迫って来るアントニオに一発お見舞いしてやろうかと思ったけれど、そこはぐっと堪えて押し黙る事にした。
僕が苛立っている事が次第に伝わったのか、やいのやいの言っていた連中も少しは冷静さを取り戻して来たため、シンディとシェリーとどう知り合ったのかの経緯を説明して、人をからかうのが好きな連中が僕をからかっているだけだから、そんなに興味が有るのなら乗ってきた船に寝泊まりしていると言っていたのだから行って来いよと言うと、みんなは口々に相当の覚悟で来いと言っていたから・・・、と尻込みをして勢いを無くしていった。
その程度の覚悟なら僕に八つ当たりをするなよと言うと、みんなはぞろぞろと自分の席へ帰って行った。
僕は大きなため息を吐いて席に座ると、王子君が気の毒そうは視線を僕に送って来た、僕はそれに首を振ってこたえるともう一度大きなため息を吐いた。
昼食時になって食堂へ行くと、ここでも話題の中心はシンディとシェリーだった、僕が知り合いだという噂がすでに広まっており、ここでも面倒くさい事になってしまい、せっかくの食事が冷めてしまった。
二人の容姿からか弱い女性像を描き、侵入者から俺たちが守るなどと戯言を言っている上級生も居たけれど、彼女たちが一線で活躍している狩竜人だと知っている筈なのに、そんな妄想を抱いてしまう程惑わされているようで、二人が魅力的な人達だと理解はしているけれど、一人前の狩竜人では無くてせいぜい半人前の簿僕たちから守られるような人を、夜の見回りと臨時講師に呼ぶことはない。
午後の授業は特に何事も無く終わり、寮へ帰る途中でシンディとシェリーを見かけた、一緒に居たアントニオは動揺して何も言えなくなっていたが、僕は意を決して二人に声を掛けた、
「シンディ、シェリー・・・先生、で良いのかな」
「あらシリルじゃない、人目のある所ではそう呼んだ方が良いわね」
「二人きりの時はどう呼んでくれるのかしら」
頭の痛くなる様な返答に僕は頭を抱え、少し話しがしたいと言うと二つ返事で船に招き入れてくれた、アントニオも付いて来るかと聞いたのだけれど即答で断られてしまった、その時僕はせっかく二人が招き入れてくれたのに遠慮なんかしてと思っていた。




