第45話 真夜中の出来事
夜の見張りは、僕たちの班とアレックス達の班から一人ずつの二人体勢の2交代で見張る事にした。
昨日の夜の事も有り、僕とアントニオが見張りをする事になったのだけれど、アレックス達は賑やかな話し合いの後に、アレックスとルイスが見張りをする事になった。
先にルイスとアントニオが見張りをして、途中で僕とアレックスと交代する、先に見張りをする方が長時間起きているだけなので、途中で交代をするよりも楽なはずなのだが、疲労も蓄積している中での夜更かしはかなりきつかったと起こしに来たアントニオに言われた。
僕が焚火の所に行くと、眠い目を擦りながらアレックスも遅れて起きて来た、が、起きて来たのでは無くて緊張で眠れなかったようだ。正直こればかりはすぐに眠れる僕には無い悩みだけれど、うつらうつらしながらも起きていようとしている姿を見ていると、いつでも寝れるのでは無いかと疑ってみてしまう。
「そんなに眠そうなのに、眠れなかったの」
僕は思い切ってアレックスに尋ねてみた、と言うのもこのまま沈黙を続けていたらいつか寝入ってしまうのではないかと心配になったと言うのも有る、
「あ、ごめん。・・・一人で居るとちょっと怖くなっちゃって・・・」
「ん、ああ、さっきサーベルタイガーを見たからかな」
僕の言葉にアレックスは見てわかる程の身震いをして、その後ゆっくりと大きく頷いた。
「大丈夫だよ、夜行性じゃないから夜はサーベルタイガーに襲われることは無いよ。ただ他の獣には襲われるかもしれないけどね」
一瞬だけ明るい顔になったアレックスだったが、すぐに神妙な面持ちに戻ってしまった、
「でも変だな、そんなに怖いなら焚火の傍でも、うとうとなんて出来ないと思うけど」
暫くの沈黙ののちにアレックスは僕の方を見ながら、
「シリルが・・・シリルが傍に居るから・・・なぜか安心しちゃって、それって変かな」
なるほどね、それは僕にも物凄くわかる話だ、昨日は王子君が傍に居てくれたし、正直レイやジェイジェイ、それこそシェリーやシンディでも隣に居てくれたら、僕はどれだけ安心するだろうか。
「変じゃないよアレックス君、それは僕も同じさ。アントニオはちょっとあれだけど、王子君やジェイミーやレイラは物凄く頼りになるし、何かあればすぐに起きて来てくれる、サーベルタイガーに襲われた時だって、僕たちが負けるなんて思わなかったからね」
僕の言葉に再びアレックスの顔に光が戻った、
「ありがとうシリル君、その言葉を聞いたら俺も安心して眠れるよ」
「いや、今は見張りだから寝ないでね」
アレックスが大口を開けて大笑いし始める前に僕はその口を押さえる事に成功し、ジェイミーの安眠の妨げになる事は防げたが、その変わりに僕たちの様子を窺っていたレイラはごそごそと起き出してきて、
「顔洗ってくる」
と言って火の点いた木切れを持って川の方へ向かって行った。




