第28話 自業自得
これは僕のミスだ。
課外授業の出発日に、僕の前に置かれたジェイミー達の荷物を前にしてそう思った。
自分の荷物のサイズから、勝手にジェイミー達の荷物の量を仮定していたのだから、その想像が足りなかったのだろう、確かに野宿は絶対にしないと宣言もしていたのだから、僕が荷物を半分持つという約束を反故には出来ない。それこそ事前にどれくらいの荷物なのか、不必要な物を持って来ていないか・・・これは僕が言えた義理では無いけれど、見られたくない物も沢山有ると思うが、一度くらいは見ておくべきだった、少なくとも数日間は持ち運ばなければならないのだから。
「この量だと荷車が無いと運べないな、先生たちに借りれる荷車が無いか聞いて来る」
そう言い残して王子君は走って行った、やはり頼りになるのは王子君だ。
「荷車が借りれなかったら俺も少し持つよ、それで良いかなジェイミーさん」
アントニオは僕では無く、ジェイミーの点数稼ぎの方が大事なのだとわかっている、それでもその申し出は嬉しい限りだ。ジェイミー達も荷車を準備してきていたが、それを引くのはレイラだ。
ジェイミーもリュックを背負ってはいるが、その中に何が入っているかは解らない、見たところとても軽快に動いてはいるが、僕よりも膂力が有るかもしれないジェイミーの事だから、どれだけの重量なのかは計り知れない。
そうこうしている内に、どんどんと目的地へ向かって他の組みの生徒達は散らばって行ってしまった。
学校を取り囲むように点在する野営地にそれぞれが進み、一泊した後で隣の野営地へ向かう、星と太陽と風を読んで方角を間違えずに森の中を進んで行くのは、点在する狩場を転々とする狩竜人にとっては必須な技能の為、単なる野外宿泊では無くて、とても大切な行事の一つだ。
「おーいシリル、ちょっと古いけど無いよりはマシだろ」
がたがたと荷車を押しながら王子君が帰って来た、手押し型なので容量は少ないけれど、確かに無いよりは良いだろう、僕は王子君にお礼を言い、すぐに荷物を積み込んだ。
持ち上げてわかったがかなりの重量だ、何事も安請け合いなんてするもんじゃないと、僕は一つ賢くなった。
森の中の行進はかなりの重労働で、獣道を探しながら、うっそうと茂る木々の間から時折顔をのぞかせる太陽を目印に、方向を間違えずに進むのは非常に骨が折れる。
獣道なんてものは線を引いたようにまっすぐな事なんて絶対に無く、大木や草むらを掻き分けながらぐにゃぐにゃと曲がっているのが当たり前だ。大型の獣が減ってしまったためか獣道も細くなり、個体数が少ないために頻繁に使われなくなった道も有るために、どうしても大きく迂回をするのか突っ切るのかの選択も迫られた。
「出来れば日が出ている内に目的地に着きたんだが、この速度だと難しいかも知れないな」
「仕方ないよ、くじ運が悪くて最悪の場所になっちゃったんだし」
僕たちの目的地である学校から西の野営地は一番遠くにあり、最初でなければそれほど困らないが、最初の目的地としては最悪で、水の補給もすぐには出来ず、野生の獣も少ないから食料の調達も困難と良いところが無い
もちろんくじを引いたのは僕だ。




