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第24話 僕の実力、彼女の実力

いきなり自主練をしていてくれと言われても、どうして良いのかわからない生徒たちは、仲の良い仲間で集まって駄弁り始めた。僕の周りにも王子君とアントニオがやって来て、先生の過去に有った話しについて色々と話したいようだ。

「シリルは、同じ状況だったら逃げるんだよな」

アントニオが言う、確かに僕は先生の質問にそう答えた。だけどそれはあくまでも問答での答えであって、実際の僕がどう行動するかなんてのは明確に答えれるわけが無い。

「その時になって見ないとわからないけど、一瞬で判断しろと言われたらどうなるかわからないよね」

「そうなのか、まあでも確かにそうだな。初めて竜と対面したら、興奮で冷静な判断なんて出来ないよな」

「俺は逃げないぞ。王子たるもの敵に背を向けては国民に示しが付かないからな」

王子君、自ら進んで敵に向かって行くのは勇敢な行動では有るけれど、怪我をしてしまったり、ましてや命を落とすような事は、王が進んでやるべきでは無いと思うんだけどね。

「でもその時に一緒に居るのがレイやオフィーリア姫だったら、逃げるなんて考えないかもしれないね」

「ああ、確かに。その二人と一緒なら・・・」

「シリル君、それは有り得ないわ」

アントニオの言葉を遮るようにジェイミーが会話に混ざって来た、アントニオは口をパクパクとさせながらジェイミーをちらりと見るとすぐに俯いてしまった。

「有り得ないって言うけど、ジェイミーさんあくまでも例え話なんだから、そんなに強く否定しなくても」

ジェイミーを両手で宥めながら僕は答えた、何がそんなに気に障ったのだろうか。

「狩竜人は実力が拮抗している者同士で組むのが常識です、ですので例え話でもその名を口にするのは控えた方が良いですわよ」

「今の実力では全く敵わない事はわかっているよ、でもこれからもずっと敵わない訳じゃないよ」

ジェイミーの言い草に、少しカチンと来た僕は、あまり関わらないようにしていたのに反論をしてしまった。僕の言葉を聞いてジェイミーの普段の態度からは考えられないほど視線が鋭くなり、

「いつかは実力が拮抗すると言われるのでしたら、今もさぞかしお強いのでしょうね」

ジェイミーはそう言うと、持っていた模造剣の切っ先を僕の目の前に突き出して挑発的な態度を取りながら、

「今の実力を見せて貰いたいわ、シリル君」

突き出した切っ先をくるくると回しながら、ジェイミーは相変わらず鋭い視線で僕を見ている。

明らかに喧嘩を売っているやり方に違和感を覚えながらも、ここまで挑発されて僕も逃げる事は出来ない。僕は持っていた剣でジェイミーの剣を弾くと、少し間合いを空けて構えた。

それは開始の合図に等しい。

すぐに体勢を整えたジェイミーの構えを見て、僕は冷や汗が止まらなくなった。

漂う雰囲気はオフィーリアと対峙した時に匹敵している、もしかしたら僕に授業をしてくれたオフィーリアを凌駕するほどの威圧を感じた。

せっかく鼻も治ったのに。

オードリーの忠告を聞かなったばっかりに・・・。

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