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第17話 人気者は辛いよ

「お前ら、立ち話もなんだから校長室に行こうぜ、俺もまだこの姉ちゃんとの話しの続きがしてぇからよ」

あまりに騒がしくなってしまったからなのか、校長が僕たちを移動させようと場所の提案をしてきた。

確かに今のままではレイとの会話もままならないので、僕は校長の意見に賛成だったが校長の事をくそったれと言っていたレイはその提案に乗るのだろうかと視線を送ると、仕方が無いかと言う様な顔をして校長に手を振った。

それを見た校長は付いて来いと合図を送り校長室へ向かって行った、ごった返す生徒たちにウインクと投げキッスをしながらオードリーが歩き出すと、その場に集まっていた大半の生徒たちはその後に付いて行ってしまった。

取り残された僕とレイは気まずい思いをしながら、目配せをしているとアントニオがレイに挨拶と握手を求めて来た、それを見て残っていた数人の生徒がレイに握手を求めに来ると、その内の一人がジェイミーだった。

「初めまして、レイナルドさん。ジェイミー・オールドリッチと申します」

ジェイミーの愛嬌のある笑顔に、レイも釣られて笑顔になっているかと思いきや、あのジェイミーを前に冷めた目で握手をしている。

「初めまして・・・じゃ無いよな・・・、ジェイミーさん」

レイがジェイミーの顔をまじまじと見ながらそう言うと、明らかにレイからの視線を避けようと目を逸らしながら、

「いえ、わたくしは初対面ですけど、どなたかと勘違いしてませんか」

「いやそんなはずは・・・」

レイがそう言いかけたところで、突然レイがよろけてジェイミーに身体を預けた。

すぐにレイがジェイミーから離れると、レイは照れくさそうに頭を掻きながら、

「いやあ俺の勘違いだったな、初めましてジェイミーさん」

いきなり豹変するレイに何かを感じ取ったが、込み入った話に首を突っ込むと碌な事にならない事をわかっている僕は、特にその事に付いて自分からレイに尋ねる事はしなかった。

「ジェイミーさんとは仲良くしとけよ、嫌われると怖いぞぉ」

校長室へ向かう途中でレイが呟くようにそう言った、僕はすでに嫌われているかもしれないとは言えず、「そうならないように努力するよ」

「好きになるのも止めて置けよ、お前なんかじゃあ相手にもしてくれ無さそうだけどな」

そう言うとレイは笑い出した、そんな事は余計なお世話なのだが、確かに気になる人では有るけれど、なぜかそう言う感情が湧いてこない事が僕には不思議だった。

すでにキスも済ませているのに、だ。

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