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第109話 やっぱりカレーでしょう2

「それで、僕たちが呼び出されたのはどうしてでしょうか」

「大体はジャッキーと話して決めちまったからよ、後はおめぇたちが首を縦に振れば用件はお終いだ」

それを聞いて僕たちはジャッキー先輩の顔を見た、ジャッキー先輩はそれに気付いて親指を立ててにこやかに合図を送って来た、一体どんな話し合いをしたのだろうか、内容も確認もせずには首は振れない、

「その話し合いの内容というのは・・・」

「ああ、真夜中に起こされたのは先生も生徒も多数だからよ、その全員に雷鳥を振舞うって事を約束して貰ったんだが、あ、もちろん羽根だの爪だのの高価な部位は狩猟したお前たちで好きにして良いぞ」

「もちろん雷鳥の肉も高価なんだけど、売り捌くのもちょっと違うと思ってな、シリルたちが反対をするなら、俺が全部の肉を買い取っても良いんだぞ」

「反対だなんて、そんな事は僕は言いません、もちろん生徒全員で食べましょう」

「私も別に反対は致しません、ただ、調理方法はどうされるのですか」

ジェイミーの言葉に校長とジャッキーは顔を見合わせて笑い出した、

「それよ、ちょうどその話しをしてたところにお前らが来たんだ」

「串焼きだと一人一本ぐらいになるから、そんな量じゃあちょっと物足りないと、そうなるとどうすれば良いかって話しをてたんだ」

食べ物の話しをしていたのならばにこやかな雰囲気になるのも頷ける、僕たちも人の事を言え無いんだけど、結局狩りをしたら食べる時の話しをするものなんだな。

「それでしたら、一つ提案が有るんですけど」

「おおシリル、美味い案が有るのか、言ってみろ」

「あの、カレーにするのはどうでしょうか、僕も雷鳥は食べた事が有るんですけど、結局カレーが一番美味しかったし、記憶に残っています」

「なる程カレーか、だとすると粉が足りねぇなぁ。生徒全員分のカレー粉が手に入れば良いんだが」

「僕たちもそれがどうにもならないって結論でした、もう一度食べたかったんですけどね」

そこで僕たちは黙り込んでしまった、頭の中で色々な調理方法を考えて、考えて、結論はカレーで良くねとなり、カレー粉がどうにもならないからまた考えて、そうこうしている内に校長室のドアをノックする音が聞こえた、

「校長、少し時間よろしいでしょうか」

「ああ、構わんよ、どうした」

それから校長はドアの向こうで少し話した後で、

「おう、ちょっと呼び出しがあったから行ってくる、すぐ戻るからよ」

そう言うと校長はドアを閉めてどこかへ行ってしまった、残された僕たちはいったい何のためにここで校長の帰りを待つのだろうか、ジェイミーとジャッキー先輩と顔を見合わせて首を傾げて校長の帰りを待った。


それから暫くして笑い声と共に校長が戻って来て開口一番、

「わはは、お前ら教室に戻って良いぞ、くくく、とんでもない食いしん坊が居やがった。カレー粉が全員分届くからよ、今から厨房で仕込みをして貰うから、わはははは」

上機嫌な校長は僕たちを校長室から追い出すと、その足で厨房へ向かうようだ、何が何やら良くわからないが、帰って良いと言うなら教室へ向かおう。

しかしとんでもない食いしん坊っていったい誰の事なんだろうか、そんな事は教室へ戻った後、どこかへ消し飛んでしまった。

見覚えの有る真っ白な狩竜人船が校庭に降り立ったからだ、間違いない、オフィーリア姫の船だ。

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