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馬車だけど、馬車じゃない

 アリスが立っていたのは道路であった。

 キチンと石畳で舗装された道。しかも、500メートルおきくらいに照明らしきポールが立っている。


 ようやくその場に到着したマサヒコは、ハア、と息を吐いてヘタリ込んだ。石畳は、キチンとセメントかナニカで接着されているらしく、グラつくようなコトはない。


「遅いし。シゲオが遅いから馬車行っちゃったじゃんか」

 アリスが腰に手を当てて不機嫌顔で見下ろす。


 イヤ、俺、関係ナイでしょ、とマサヒコは思った。思っただけで、口には出さなかった。ギャルに反論できるマインドの持ち主ではないからだ。


 それにしても、アリスのスカートは短すぎてローアングルからだとチラッチラッと下着が見える。強めの風がグッジョブ。


「こ、この道を歩いてけば村かナンカにつくんじゃないカナ」

 とにかく提案。語尾はスゴく小声になった。


「てか、スマホないとか、マジおかしいし。ありえないし」

 アリスはイライラしている。マサヒコの言葉など聞いていない。


「そ、そういえば、コレっ」

 マサヒコは、まだ手に握りしめていたヒョウ柄のポーチを差し出した。


「あっ、ウチのじゃん。サンキュー、シゲオ」

 アリスがコロッと機嫌を直した。さっさとメイクを直し始める。


 お礼を言われてマサヒコはちょっとイイ気分になった。

 ギャルじゃなければなー、とまた思った。


「あっ、あっちからまた馬車っぽいのが来る」

 マサヒコは言った。例によって注意をうながすためのヒトリ言っぽいヤツ。コレなら聞き流されてもダメージを受けにくいのだ。

「また馬車が来たみたいだ」

 もう一度、ちょっと大きめの声で言う。


 アリスは聞いていなかった。コンパクトの裏の小さな鏡をノゾキ込み、ナニヤラ細々と作業をしている。


「馬車が来たんだけどなあ」

 最後にもう一度ツブやいた。


 しばらくしてアリスがタメ息をついた。

「まー、こんなトコか。ねえ、ウチ、オカシクね?」


「……さあ」

 マサヒコはビフォアーとアフターの違いがまったくわからなかった。

 男は女性が思うほど化粧に注目していないのだ。顔も見ているようで見ていないのだ。


「シゲオ、ホント、使えねえなー」


「そ、それより、また馬車が来るんだけど」


「だから? イーセカイなら馬車くらい走るし」


 先ほどと馬車に対する温度差がある。アリスは気分屋なのである。大切なのは今、自分がどう思うか、なのだ。


 アリスが馬車を目をコらしてながめたアト、マサヒコを振り返った。

「そーいえば、シゲオもスマホねーの?」


「あ、あのさ。俺、青木正彦」


「???」

 アリスが、つけ睫毛まつげビッシリで重そうなまぶたをパチパチとする。

「っで?」


「イヤ、シゲオじゃないから。シゲオ要素、まったくナイから」


「あっそ、超どーでイイわ」

 アリスは言いつつも、ちょっと恥ずかしくなり、顔を背けた。黒い頬にほんのり赤みがさす。

「んだよ。早く言えよ」


 確かに、もっと早くマサヒコが訂正するべきだった。アレだけシゲオシゲオ言っておいて、実はぜんぜんシゲオじゃなかったと言うのは、アリスをしてみても気マズイ。


 マサヒコはどちらかといえば被害者だが、罪悪感を感じ、それをゴマカスようにブレザーのポケットを探った。

 左側にはいつもはスマホを入れているのだが、空っぽ。当然のごとく、右側にもなにもない。


「ナニもないや。空っぽ」

 ハハハっ、と笑ってみる。


「マジ、使えないんだけど」


 何度も使えない使えない言われてマサヒコもカチンときた。だが正面からギャルに立ち向かえる勇敢さはない。

「ソッチだって、同じようなモンだろ」

 ボソッと、小声でツブやいた。


「ハっ? ナンカ言った?」

 デカい声で聞き返される。ニラまれる。


「イ、イヤ、あの、ナニモ」


 アリスが両腰に手を当てて、ハアっ、と聞えよがしのタメ息をつく。

「マジ、ナイわ。ヨースケか、レオンなら良かったのに」


 ソコで出てくる名前はライターの持ち主であるショーマという彼氏ではないらしい。チナミにヨースケは学年一のイケメン。レオンは文武両道サワヤカ男子。どちらも、マサヒコとアリスのクラスメイトだ。


 コッチだって猪本さんか楠田さんが良かったわ、イヤ、まて、平山さんでエロエロ展開も……悪くない。

 などとマサヒコは、アリスの代わりにクラスでトップクラスの美少女フタリを思い浮かべた。

 気さくで明るい猪本さん。物静かだが美少女然とした楠田さん。

 ちなみに平山さんは超ビッチだというウワサで頼めばヤラせてくれるとかナントカ。


 そうこう言っているうちに馬車が近づいてきた。そして、近づいてきたタメに、それが正確には馬車ではないコトが分かった。

 動物が大きな箱を牽引している。その動物は馬ではなかった。巨大なネズミである。

しかも、2足歩行。後ろ足で立って腰になにか連結具をつけて引っ張っている。


 思ってたのと違う。

 マサヒコは思った。

 チラッとアリスをウカガうと、目を大きく見開いてネイルゴテゴテの両手を口に当てている。

 女の子らしい仕草にマサヒコの好感度が上がった。


 ギャルじゃなければなー。


「マジ? 超カワイイくない? てか、もうアニメの世界じゃん」


 確かに2足歩行巨大ネズミは目が大きく、デプっとしてて、明るい茶色の毛並みも良さげ。リアルすぎず、コミカル寄りだ。

 そして、その後ろに牽引されている荷台の大きいこと。大型トラックの荷台もカクヤというほどだ。

 とにかく、くだんのネズミが凄まじいマッチョであるコトは確かだろう。


 アリスがキラキラした目で馬車ならぬ、ネズミ車が来るのを待っている。

「なんで、スマホないわけ。マジ、撮りてー。こんなん、絶対、バズんじゃん」


 マサヒコは、いまいちアリスの感性についていけない。巨大ネズミの馬車とか、ブキミでホラーでしかない。カワイイとか絶対思えない。


 やがて、ネズミ車がやってきた。フタリは邪魔にならないように道の脇に避けていたのだが、ネズミ車は徐々にスピードを緩め、やがて止まった。


「よー、坊ちゃん嬢ちゃん、ゴキゲンかい?」

 やけに低くてダンディーな声でネズミがしゃべった。片手を腰に当て、ポーズもなんだかカッコいい。


 驚き、固まるマサヒコ。

 その隣では、アリスが、もうたまりません、というような顔になった。


「チャース。ネズミさん、しゃべれるんだネ」

 アリスが言った。


「おー、そりゃーな。ヒョットして、変身人間見るのは初めてか?」


「ナニソレ、ナンカ凄そうなんだけど。ウチら、ついさっきここに来たばっかで、ゼンゼン、わかんないし」


 巨大ネズミが、ハアアアっ、とエネルギッシュな声をあげた。すると、巨大ネズミの上半身がスルスルと縮まり。

 人間になった。上半身だけ。


 下半身ネズミで上半身は40代ぐらいのオッサン。だが、まるで海外の俳優のように金髪で彫りが深くイケメンだ。ヒゲが似合う。


「ズイブン、遠いが、魔族の血が入ってるみたいでな。魔装だと、コストがカカるからよー。しがない運送業者には、コッチの方が儲かるってわけだ」


「ナンカ知んないけど、スゴっ。ネズミのオっちゃん、運ちゃんなの?」


「おー。街から街へってな。今はフォンボイ市に向かってんだ。どっか行く当てあるなら、乗っけてってやるぜ」


「マジでっ。ウチら、よくわかんないから、大きな街、行きたいんだけど」


「こっからなら、ベルドーン市だな。王都やゲートのある街に比べりゃあ小さいが、まあまあ、デッカい街だし、便はいいと思うぜ」


 半ネズミのオッサンは、ヨッコイショっと腰の連結具を外して、バカデカい荷車の方へ。

 アリス、ついでマサヒコがアトを追う。


 マサヒコは、知らない人についてって大丈夫か、と思った。このまま誘拐されたり、身ぐるみをハガされたりしないだろうか。

 なにしろ、ここは異世界。どんなアウトローがいるか知れたものではないのだ。


 だが、アリスに耳打ちしようにも、半ネズミのオッサンと談笑している。

 陽キャはコレだからっ、とマサヒコは思った。あのコミュニケーション能力の高さは素直にウラヤマしい。マサヒコなど、半ネズミのオッサンに話しカケるなどとても無理だ。

 ビジュアル的にも気後れがスゴい。


 半ネズミのオッサンが、バカデカい長方形の荷車の最後部を開けた。荷車には木箱が山積みになっている。


「空いてるところに座ってイイぜ。まー、乗り心地は悪いと思うが、勘弁してくれ」


 半ネズミのオッサンが荷車のどこかを操作すると、天井が光った。最初はまぶしかったが、すぐに明るさがちょうどイイ具合に落ち着いた。


「ホラ、乗んな、乗んな。悪いが今日中にフォンボイにつかないとだからよ。休憩なしでいくぜ。小便とか、ガマンしろよ。まー、ベルドーン市なら1時間ぐらいでつくけどな」


「ウィース」

 言って、アリスが高さ1メートル50センチくらいの荷車に両手をかけ、ジャンプして乗った。だが途中で体を引き上げきれない。

「マサ、押せ、押せ」


 マサヒコはアリスのピンクでツルツルのパンツがバッチリ見えていて、押すどころでなかった。というか、どこを押せというのか。ケツか。フトモモか。


 マサヒコが躊躇ちゅうちょしている間に、半ネズミのオッサンがアリスの腰を押さえて持ち上げた。そのままアリスを放り込む。


「ホレ、坊主も」

 言ってマサヒコの体もグイっと抱えて、ポイっと荷車に中へ。


「悪いが灯りは消すぞ。うちの社長がウルサクてなあ。なんでもかんでも、コスト削減、コスト削減」

 半ネズミのオッサンが開いた荷車の後部を閉じた。

「どこか、ツカまれるとこ探しとけよ」


 マサヒコがアワててキョロキョロしているところに、天井の灯りがパッと消えてしまった。

 真っ暗だ。

 マサヒコはとりあえずソバの大きな木箱にツカまった。ベルトか何かで固定されているようだ。


「てか、真っ暗かよ。マジかあ」

 アリスの声。いつもより声が小さい。

「ウチ、暗いの苦手なんだよね。マサ、どこー」

 床がミシミシと鳴る。歩いているようだ。


「こ、ここだけど。歩き回らない方がいいよ」

 マサヒコは言った。今さらながら、マサと呼ばれてちょっと気恥ずかしくもウレしい。


「だから、どこっ? マサヨシどこよー」

 アリスの声がさらに心細げになった。


「ここだけど。あ、それからマサヒコね」

 

「わかんないし。ナンカ、歌っててくんない」


 無茶ぶりすんなよ、と思いつつ、マサヒコは最近ハマってるアニメのオープニング曲をハミングした。


「あっ、それ『アオガミ』の新曲じゃん。マサもそういうの聞くんだ」

 アリスが食ついた。


「イ、イヤ、アニメを見てるだけだから」

 

「アニメの曲なんだ? なんての?」


 マサヒコは長くてなおかつ口に出しづらいタイトルを言った。ちょっと作者にムカついた。


「知らねーし」

 言った直後にアリスの手がマサヒコの頭をムンズとツカんだ。

「あった、あった。これ、マサの頭蓋骨じゃね?」


「イヤ、頭蓋骨の上にイロイロ乗ってるからね。頭皮とか頭髪とか。ていうか、痛い、痛いっ」


 アリスに髪を引っ張られ、悲鳴をモらす。


「てか、ツカまってたいんだけどー」


「イヤ、ソコはダメだろ、どい考えても」

 ジャッカン乱暴に返した。


 男は少なからず頭髪に不安を抱くものなのだ。特にマサヒコは父親の年のワリにはカナリ薄い頭髪に、暗澹あんたんたる思いを抱いていた。


 だが、アリスの手はマサヒコの頭髪をワシヅカミにしたまま。もう片方の手が、マサヒコの顏、肩、と下がっていく。

 マサヒコは暗闇とアリスの香水の甘いニオイと、大胆なタッチのせいで、エッチな気分。

 不謹慎にもチンチンが立ってしまった。

 若い青年の股間はちょっとしたコトでもビックリするくらい膨張するのだ。


 アリスの手がマサヒコの胸をペタペタ触っているところで床が揺れた。出発のようだ。

 マサヒコの頭髪がプチプチっと嫌な音をたてて何本かチギレた。

 アリスの別の手がマサヒコのネクタイをツカむ。


 そこからの急加速。Gがかかり、アリスの体が倒れそうになった。

 マサヒコは直感でアリスの体に手を伸ばす。モニャと柔らかい感触。たぶんフトモモ。


 アリスの片手は依然、マサヒコのネクタイをツカんだまま(マサヒコ、首が痛い)。もう片方の手が彼女のフトモモをツカむマサヒコの手をツカんだ。


「サンキュ。マジ、死ぬかと思ったわ」

 アリスの声が、すぐ耳元で聞こえた。

 声が震えている。


 お礼を言いたいのはコチラの方だ、とマサヒコは思った。コレがラッキースケベというヤツか。


 ラッキースケベはさらに続いた。

 アリスがマサヒコの腕にしがみついたのだ。もう、腕をギュっと胸に押し付けるように。


 エエーっ、ちょっ、イイんすか、マジで、イイんすか。

 などとマサヒコは困惑と歓喜が入り混じる。チンチン、もう最高にビックだ。

 暗闇で良かったですコト。


「マサ、鼻息スゴくね?」


「イ、イヤ、ビックリしたから」

 異常は鼻息だけではない。

 暗闇に感謝だ。


「コレが1時間とか、マジ、ヤバいっしょ。ウチ、死ねるわ」


「ずっとツカまっててイイから」

 暗闇だからこそ、カッコをつけられた。

 半分以上、スケベ心ではあるが。


「サンキュ。優しいじゃん」


 沈黙。マサヒコの荒い鼻息の音だけが、やけに大きく聞こえる。


 マサヒコは今、この瞬間を心に焼きつけていた。腕に伝わるアリスのヌクモリ(というかオッパイの感触)。アリスの香水のニオイ。首筋に触れる彼女の髪。

 異世界、アリガトウ。


「てかさ。ナンデ、ウチらだけだったんだろ。授業中だったじゃん。ウチらの席、別に近くなかったじゃん」


「マンガとかだと勇者として召喚された、とかなんだけど」


 アリスがフキ出した。

「ゆ、勇者って、アンタが?」

 クククッと笑う。


「イヤ、マンガだとそうなんだよ。単に、ナニカの条件に合致したのかもしれないしさ」


「ヒョットしたら、ほかも来てんのカモ。ウチら以外にもさ」


「それはありえるカモ。あの場に留まってた方が良かったのかなー。でも、モンスターに襲われたしなー」

 マサヒコはいちおう会話をしているが、実は心ここにあらず。とにかく今の彼はオッパイのことしか頭になかった。

 逆にソレだからこそ緊張せずに話せていた。


「まっ、イイんじゃね。街に行きゃあ、なんとかなるっしょ」

 アリスはお気楽だ。

「てか、スマホねーの、マジ、ショックなんだけど。ありえなくネ?」


「イヤ、異世界だからしょうがないよ。万一、持ってても、充電が切れたらソレまでじゃん」


「あー、ソレ、そーかも。じゃ、別にいっか」


「というかさ。セッカク異世界来たんなら、なんかチートスキルとか欲しいよね。ないのかな、そーいうの」

 異世界転移や異世界転生のダイゴミ。それはチートスキルのハズ。めちゃスゴいユニークスキルで、楽してウハウハ、オールオーケーのハズでないのか?


「カラコン、どーすっかなー。洗わんとヤバいよネ?」

 アリスは、サラっとマサヒコの話題をスルーして言った。


 なんだよ、セッカク話を振ったのに、とマサヒコは不貞腐ふてくされる。だが、女子の問いを無視するコトなどできない。


「そりゃーそーでしょ。サイアク失明すカモよ」


「街になんかないカナ?」


「さー? それよりさ、どうやって帰るか考えた方がイイんじゃないの? ずっとこんな異世界にいるワケにいかないでしょ。チートスキルもないのにさ」

 チートにコダわるマサヒコであった。


「ハっ? 来たばっかで、もー帰ること考えてるとか。超ヒクんだけど」

 アリスの声がトガった。サイアク、信じられない、ノリ悪い、という感じ。


「イヤイヤ、帰りたいでしょ。親とか心配するだろうし。あっ、でも異世界転移なら、向こうでは時間が経ってないかもしれないのか。でも、俺、こんなゲームもマンガもアニメもないような世界に長居したくないんだよね。チートスキルもないしさ」


「ウチの親、絶対心配とかしないし。セーセーシタ、トカ思ってんじゃね。オニイと違ってデキ悪いかんね。ウチ」


 なんとも答えにくてマサヒコは黙った。


 アリスがそのまま続ける。

「ママとかマジ、ヒデーから。死んでヤリ直したら、とか言ってくるから。スゲエー、ムカつく。パパは超無関心だしさ」


 重い話だなあ、とマサヒコは思った。うかつにはリアクションできない。だから、少し話題をソらすコトにした。勇気を出して。


「えっと、彼氏は? ライターの」


「ショーマ? もうイイ、アイツ。あんな、ライター、ウチに持たせとくヤツ。100円ライターくらい、買えよ」

 ウンザリと言った調子。


 マサヒコは彼女ができて(アテはないが)、タバコを吸うことがあっても(別に吸いたくはないが)、ライターを彼女に持たせるような真似はすまい、と誓った。

 100円ライターごときでフラるなんてカワイそうである。


「てか、タバコクサイし。ウチのアツカイ雑だし」

 今度はグチりだした。

「アイツがウチの心配とか、絶対ないわ」


「なんでツキアったの?」


「ウン? ナンパされたんだよね。暇だったからついてったら、イロイロ、オゴってくれたし? 社会人って金持っててイイなってなってさ。あっ、でも、最初だけだったわ。ホテル代ケチって、いつも部屋だしさ」


 そういうナマナマしいコトは言わないでほしかった。マサヒコのテンションはダダ下がりだ。

 今は腕に伝わるオッパイの感触に集中するべきだ、と強く感じた。


「顔もまーまーだったし? 話オモシロかったし? アレ、でもソレも最初だけだわ。いつも会社のグチばっかだったし。ハタラキタクネーばっか言ってたし」

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