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「あ、あれ、ここはどこだ」


「目覚めたかの少年」


 気付けば俺は白い部屋にいた。

 そして目の前にはくたびれた爺さんがいた。


「あなたは……」


春日野柚巳かすがのゆのみと言ったかの。自己紹介しよう、儂は神じゃ。第千五十六銀河の管理を担当しておる。今回はお主にとある用があって呼び出したのじゃ」


 神と名乗る男は何故か俺の名前を知っていた。

 白いヒゲにギリシャ風の装いをしている。


「神って……よく分かりませんが、僕を元いた場所に返してください」


「それは出来ぬ相談じゃな。なぜならお主は地球で死亡したからだ」


 俺が死んだだって?

 俺は思い返してみるが、特にそれといったエピソードは思いう当たらない。


「心当たりはないじゃろうな。お主は雷に撃たれ即死したからの」


「え……」


「しかしその雷は儂の部下の不注意により生じたものでの。本来ならありえん事象だったのじゃ。そこで流石に責任を取ろうとこうして呼び出しておるのじゃがな」


「雷に撃たれたって……」


 そんなの気づきようがない。


「まぁ分かりやすく雷と言うとるだけで厳密に言えば違うものなのじゃが……まぁとにもかくにもすまんかったの。儂の部下に変わって謝るわい。お主らには大変迷惑を掛けた」


「まぁ別に痛くなかったのでそんなに謝られなくても……お主ら?」


 ここには俺、そして神と名乗る男しかいるように見えない。


「今回被害を受けた人間は二十五人おる。その内死亡したのが三人じゃ。死亡までいかずとも傷を負った者に関しては人生の運のステータスを上昇させ、死亡してしまった者については異世界転生の処置を施しておる。他の二名にはもう説明済みで、お主が最後じゃな」


「ちょ、ちょっと待ってください。異世界転生って急すぎですよ。それなら地球に転生させてほしいです」


「それはできん決まりなのじゃ。同じ世界に転生はできない。この規約は基本的にどの世界でも共通のものじゃ」


「ええ、そんなぁ……」


 もう地球には帰れないってこと?

 死んだとかなんだとか色々急すぎて混乱しそうだ。


「それしか死んだ者を生き返らせる方法がないのじゃ。じゃが異世界といってそう悪くはない世界じゃぞ。一応今回は剣と魔法のファンタジー世界を採用しておる。アレストロンという世界なのじゃがな。多種族が暮らしておって魔法もある。魔物等の危険は大きいが、そこそこ新鮮で楽しめるとは思うがの」


「剣とか魔法とかって、そんなの危険じゃないですか? すぐに死ぬとか嫌ですよ」


「そこは勿論大丈夫じゃ。そこはお詫びということもあって転生の際に強力な能力を付与してやることになっておる。それに加えて不自由のないように異世界言語にも自動対応するようにして、さらに世界をくまなく見て回れるよう寿命も撤廃するようにしてある。どうじゃ、魅力的に思えてきたじゃろう?」


 そう言われてもな……正直地球で普通に暮らしたかったし、異世界に転生したいとかいう希望も全くなかった。そりゃあ男である以上魔法とかには多少興味なくもないけど……


「無理を言ってるのは分かっておるが、儂からしてもこの程度の誠意が精一杯なのじゃ……頼む、お主が納得してくれんと儂の責任問題がかなりやばいことになる。どうにかこれで頼めんか? 規約内でとびきりの能力を用意してやるから……」


 神様はすがるようにうなだれていた。

 えー、お年寄りにそこまでされたらちょっとずるいよ……


「ま、まぁ事情はわかりました。そうですね、異世界転生してもいいですよ。正直乗り気ではありませんけど」


「本当か? ほう、助かるのう。まぁ儂は泣き落としだけは得意なのじゃ。絶対成功するとは思っておったがな。前の二人もころっといきおったし」


 ……あれ、なんか態度が違う?


「こほん。まぁというわけでお主には感謝も込めて最高級の能力を授けるとしよう。と言っても規定があってその上限内でじゃがな。それでも世界基準で考えればかなりぶっ壊れておるレベルではあるが。さぁ、お主の希望を言うとよい」


 ええ、そう言われてもな……


「おすすめの能力とかはあるんですか?」


「そうじゃのう。やはり多少武力がものをいう世界観じゃからの、戦闘系の能力はかなり重宝するじゃろうな。魔法能力を高める方向性ならかなり応用も効くようになるじゃろうし……生活力を高めたいなら便利な物を召喚する能力とかもありかもしれんな。まぁ可能性は無限大ということじゃ」


 そう言われてしまうとますます悩むんですが……うーん、魔法はかなり魅力的だと思うけど……正直あんまり欲みたいなのもないしな。


「もう決まりそうにないんで、神様がこれだと思うやつにしてください。どうせおまけの人生みたいなもんなんで、運の流れに任せます」


「むむ、そうか、そう言われると逆に困るのう……よしわかった。じゃあ儂が人間として転生するならこれにするなという能力にしといてやろう。それでよいか?」


「それで大丈夫です」


 と、いうことで俺はなんやかんやで異世界に転生することになった。

 ぶっちゃけ全く実感は湧かないが……まぁ、なるようになるだろ。

 

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