2、王子は行動する
「いや、大丈夫だクロード。それより父上と母上は!!」
「国王陛下と女王陛下ならば、奥の部屋にいるはずですが…」
まずい、このままだと…
「今すぐ父上と母上の元へ急げ!」
俺はそう言うとへクロードや近くにいた騎士を連れて奥の部屋へと向かう。
「父上!母上!」
俺はマナー違反だが、緊急時なのでノックもせずそのまま扉を開けるとそこには
「ユリウス!」
父であるガイル国王陛下が剣を手にし賊と対峙していた。
「ユリウス!!ここは危険だ!早く非難しろ!」
父であるガイル国王陛下がそう言って賊に剣を構える。
「…!皆、構えろ!」
連れてきたクロード達も剣を構える。
相手はここまで侵入できた手練れの賊だ。油断はしない。
しかし、こっちは俺と父上のほかにクロード達騎士4人がいる。
数ではこっちが有利だったが賊はニヤリと笑うと先ほどいた部屋にも賊が10人ほどやってきた。
6体11と形勢逆転となり場に緊張感が溢れる。
だが、俺はそんな後から来た賊たちに見向きもせず、奥の机に向かう。
「…!やはりあったか!」
引き出しの中には爆弾があった。
ゲームでは国王陛下と女王陛下はピール公国の工作員が待合室に爆弾を設置しそれが起爆したことによって亡くなったと記載されていた。
具体的な場所はわからなかったが、その工作員が机しか隠せる場所がなかったがその結果が国王陛下と女王陛下を殺せたと回想シーンで言っていたのが印象的に残っていて良かった。
「皆、伏せろ!」
俺は手にした爆弾を先ほどいた部屋へ投げた。
国王陛下を含めて味方達が伏せた途端、爆弾が爆発し侵入してきた賊10人を吹き飛ばした。