女子高校生A
是非最後まで読んでいってください!
きっと良い気分で日常に帰れます!
朝、いつも通りに家を出る。
駅で電車に乗る。
乗り換えを何回かして、高校の最寄駅に着く。
そこからまた歩いて、校門をくぐり、靴を履き替えて教室へ。
なんて事のない退屈な毎朝。
明日も明後日も、卒業するまでずっと続くと思っていた。
いつも通り家を出た。
駅に向かった。
ぼんやりと歩いていると、遠くに小型トラックが見えた。
もう少し近くに来たら道の端に避けるか…
気がつけば目の前にいた。
視界が暗転して、思考が途切れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いつも通り家を出た。
駅に向かった。
ぼんやりと歩いていると、遠くに小型トラックが見えた。
少し距離はあったが、危ないので早めに道の端に避けた。
猛スピードで走り抜けたトラックの風で前髪が崩れた。
前髪を直しながら改札を抜けた。
向かいから来た人に舌打ちをされた。
軽い会釈で済ませた。
階段を昇る。
足が浮く感触がした。
視界が暗転して、思考が途切れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いつも通り家を出た。
駅に向かった。
ぼんやりと歩いていると、遠くに小型トラックが見えた。
少し距離はあったが、危ないので早めに道の端に避けた。
猛スピードで走り抜けたトラックの風で前髪が崩れた。
前髪を直す前に改札を抜けた。
向かいから来た酔っ払いに「これから学校か、偉いなあ」と言われた。
階段を昇って、電車に乗った。
座席に座れた。
暫くして、目の前に妊婦が乗ってきた。
寝たふりをした。
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気がつくと、最寄駅の階段の下に立っていた。
何故か良いことをしようと思って、落ちていたネクタイを拾って駅員に届けた。
おそらく、先ほどすれ違った酔っ払いの物であろう事も伝えた。
階段を昇り、電車に乗った。
座席に座った。
暫くして妊婦が乗ってきたから、席を譲った。
ありがとうございます、と言われた。
腰を下ろすのも一苦労、といった感じであった。
乗り換えの駅に着いた。
普通に乗り換えた。
電車に乗った。
高校の最寄り駅に着いた。
高校までの通学路を歩いた。
靴箱に着いた。
階段を昇った。
教室に着いた。
誰もいなかった。
スマホの電波も繋がらない。
教室が真っ暗になった。
頭の中に音声が響いた。
「continue 不可」
バァンッッという音と共に視界が歪んで、今までの人生の走馬灯が流れた。
「与えられた愛と与えた愛の不釣り合い値が限界を超えました 」
また音が脳に流れた。
冷や汗と絶望感が背筋を伝う。
動悸がする。
助けて…!!と叫ぼうとしたその時。
暗闇の中に一筋の光が見えた。
「7時よ〜!起きなさ〜い!」
人生で1番聞いてきたかもしれない大切な声が聞こえる。
慌てて飛び起きた。
ドアを開けて、リビングに行く。
「今日は起きるの早いわね。朝ごはん、できてるわよ」
暖かい声に涙が出た。
「どうしたの??」
その台詞にまた涙がでる。
「いつもっ、そば…に、いてくれてっっありがとうぅっ」
自然と言葉を紡げた。
「急になぁ〜に言ってるの、早くごはん食べちゃいなさい」
言葉の節々に愛が詰まっているのが伝わってくる。
「いただきますっ…」
手を合わせて、この料理のために使われた命の時間に敬意を払う。
涙と温かいご飯が身に染みる。
腕を通した制服にお日様の匂いを感じる。
「行ってきます!」
笑顔で家を出た。
冷めているけれど暖かいお弁当を楽しみに、いつもの通学路を歩く。
道の向かいから小型トラックが来る。
サッと道を譲って、トラック運転手と笑顔で会釈を交わす。
「気をつけて〜!」
と後ろから声が聞こえた。
笑顔で腕を振り返し、前を向いて歩き出す。
その足取りは昨日よりも大人で、子供だった。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
この小説によって、少しでも読者の皆様の中で変化したことがあれば嬉しいです。
時に冷たい時代ですが、暖かく生きていきたいですね。