魔王に感謝
起承転結の承と転を意識して書いてみました。
15歳のその日、青年は芯熱という、スキルを授かりました。
青年は落胆しました。
寒さの中で暖かさを保つスキル。このスキルの効果は
ただそれだけだったのです。
ダメスキルと揶揄もされました。
このスキルの問題点は、世界でただ一つのユニークスキルにも関わらず、効果がたいして無いので、悪目立ちしてしまうという所です。
それによって酷いいじめにもあいました。
しかし、青年は腐りませんでした。
自分では、カッコつけれない奴が、ダメスキル持ちの少年自身を出汁に使って、カッコつけてるだけなんだ、煽ってるだけなんだ、炎上させてるだけなんだ、と、強い芯のある意思を持って耐え抜きました。
青年は、ちゃんと見抜いていました。
長い長い耐える日々。
地獄という、賽の河原を隠れ忍ぶ日々。
月日は経ち、青年、時は18歳、世界を震撼させる凶報が飛び込みました。
魔王再降。
世界は極寒に包まれました。
しかし、ここである事が起こったのです。
青年の、芯熱というスキルの、真の効果が発現したのです。
それは、極寒の世界でも、青年の中にある芯熱は暖まり続け、極寒に包まれた世界の中で、春のような温かさをあたり一面にもたらし、草花に恵まれ、魔王の魔力も届かず、魔物の凶暴化もなく、晴れやかな世界に包まれる世界。
青年は、色々な暖かな人々に包まれながら生活することが出来ました。
青年は密かに思いました。
「魔王に感謝かな」、と。
終わり
読んでくださりありがとうございました。