ちょっと休んでくる
休みたい
お父さん、お母さん、自分はどうにか首の皮1枚繋がりました。けどまさか女性にセクハラしてしまう日が来るとは思ってもいませんでした。
裁判が無事終わり、この国に住める事になった。
やっとゆっくり暮らせる…
「ほら、魔法を習いに行ーくーぞー!」
「いーやーだー!」
そう思ってた時期がありました。
裁判の結果は無罪、この国に住んでも良い但しこの国でしっかりと働け、との事。
あの後、色々能力を試してみたら分かった事があった。
先ず、生物を変換出来ないし、させられない。植物は変換の対象には出来たが作ることは出来なかった。ただし、食料は作れたので『生きていなければ』いいみたい。
そして生物以外だったら何でも作れるという事、お菓子から宝石まで何でも作れた。
ちょっと話は変わるが、この世界での魔法は魔力さえあれば、人から教えてもらっただけでその魔法を使えるという。更に大量の魔力があれば多くの魔法を使える上、自分で魔法を作る事も出来るという。
もう一度言う、自分の能力は生物以外何でも作れる。
そして魔力があればどんな魔法も教われば使うことが出来る
そう、物を魔力に変換してそれを使って魔法を覚えられるのだ。
あの女騎士…シンシアと言う名前らしい。
で、そのシンシアがその事に気づきやがり、魔法を習えと五月蝿いのだ。お前、カードゲームとかで絶対ルールの裏かくやつだろ。ループとかOTK(1ターンキル)とかやるタイプの人間だろ。
家はシンシアの家の空いてる一つの部屋を貸して貰ってる。…一応シンシアとは仲直りしましたよ?法廷からの帰り道で滅茶苦茶怒ってたから、カッコイイ!とか褒めたらすぐ打ち解けられたよ。チョロ過ぎてこの娘の将来が不安なレベルだわ。
この世界はそこそこ発展してるものの機械系統は全くといって無い。
火を起こすのだって、魔法か火打石でやっている。
どうせだったら商人になって一儲けして楽して暮らしたい…
「何でそこまでして行きたくないんだ?」
呆れたようにシンシアは聞いてきた
「昨日の事で疲れたのと、面倒臭いのと、ダルイから…あと戦争とか、特に前線なんて行きたくないから」
ちょっとしょんぼりとした顔をみせてきた
そんな顔に釣られて『やっぱ習いに行く』なんて言わないよ?
……けどどうせ異世界まで来たんだし、魔法の一つは覚えたい。けどいちいち勉強するのは面倒だし…
…勉強…参考書…答えの冊子…そういや、ワークとかは答えの冊子見ればだいたい勉強は理解出来てたけど…
そこで、少し気になった。
「この国に、魔導書とかってあんの?」
自分の言葉にシンシアは顔を花が咲いたようにきらめかせ
「勿論あるぞっ!魔導図書館があるからそこに連れてってやろう!さぁ、行こうではないか!」
俺の襟首を掴んで引きずっていった。筋肉ゴリラかよ…
どれだけ魔法を習わせたいのだ、こいつは…
休み(休めるとは言ってない)