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枕の下に 希望の上に(2)

西の遠吠え

崩れるガラクタ

剥がされた毛皮

右も左も

脂汗 垂れ流して

今にも泣きそうな面

目の前で動いている

引き算も足し算も

不自由にされて

生活費に首輪つけられて

腹の底から声を出したのは

いつだっただろう




世の中の当たり前は

感覚を持てない人が増えれば

自ずと変わり

人食いバクテリア

心食いバクテリア

裸になりながら

踊る人間のソナタ

笑うべき扇風機と

設定温度28度

決められた普通は

一昔前も普通なら

そろそろ

新しき普通が転がっても

良いのではないか




変わらない事を望む人間は

そうやって

過去ばかりを繰り返して

過去の当たり前に

潰されているのだと

気づいていないのだ

定義も出来ない

愚か者にはなりたくは無いと

あの日誓った

小さな火は

今も

燃えているだろうか




消えるのは簡単だと

何人もの先人は言うが

いざ 消えるとなると

安全システムが

世界で一番

稼働するのが生命体だ

生命のカケラを

無理矢理

口から押し込められる

あれは恐怖では無く

あれは単純な物だった

誰もが持っている

叶わなかった願いの歌だ




白と黒に

一番近い灰色は

雨粒の上に貼り付ついた雲

濃くなったり

薄くなったり

右カーブでも

左カーブでも

マーブルに見えて

しっかりと別けられている

離れていかないでと

素直に叫ぶ人間は

少なくとも

不幸にはならない

我慢して 我慢して

ある日突然

溢れ出した物に

流された人が

世界で一番

不幸になるのだ

何処にも止まれず

不幸になるのだ

我慢の美徳は

事柄によって

使い分けなければならない




赤い車の中で

サングラスの斜め上

てんとう虫と

カブト虫

食べられない二匹は

食べる為に生きる

独特な生き方は

毒を特に変えて

鹿の首を並べている

意味の無い羅列は

きっと

読む側の為じゃない

過去の偉人達も

きっと

自分自身の為に書いたのだ

そうでなければ

死人が出ている理由にならない




馬鹿笑いの幸せは

一瞬に閉じ込めた

祈りに似たおまじない

写真のデータは

劣化しない方法として

有益なくせに

人間の方が

劣化しているという

その生命の基準を

たまに 見えなくさせる

真空管に閉じ込めるのは

いつも

心情の一部分で

忘れない

忘れない

呟いては

虎視眈々と狙う

蒲公英が死んだ日なんて

誰も想像したくない




西に太陽が見える

今日も沈んで

あの人が沈んで

あの形が沈んで

あの日が沈んで

浮かんだ物だけを

どんな顔して

掻き集めたのだろう

西の遠吠え

辻褄の合わない世界だから

星空が似合っているんだ

必ず月があるから

夜は温かいのだ

鏡を見ていた

カーテンの向こう側の明かり

太陽の光を

夜に浴びていく

そして

そこから続く

毎日の日の出は尊いのだ

本来の姿を垣間見せる

奇跡の瞬間は

声をからした人間を

回復させる

その時に思った心情を

そのまま

取り出せば良い

西の遠吠え

そのまま

ずっとそのまま




















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― 新着の感想 ―
[良い点] はじめましてこんばんは。はじめ一号と申します。 設定温度28度は特に根拠もなく何となく決められたものらしいと最近聞きました。それを聞いて、厳密に守らないまでも「設定温度は28度が好ましい…
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