全滅
銃を三づつしか撃たない理由は作品内で解説してきたいと思います。
セロは突然手を上げて星羅達を制止させ、部屋をそっと覗こうとした瞬間、部屋からAK47を装備した男が出て来た。
「はっ!?」男は驚いた。
セロも一瞬驚いたが、瞬時にM16で迎え撃った。
「ぐわ!」男が倒れた瞬間、銃弾が部屋と通路の間にあるコンクリート製の壁を突き抜けて降り注いできた。
「伏せろ!」セロは降り注ぐ銃弾の中、とっさに伏せた。
星羅は静に覆いかぶさるように倒れた。
「・・・」セロは横になったまま、M16を部屋から撃ってきている三人の男に向けて照準を合わせようとした時、撃っていた男の背中から一文字に血が飛び出た。
(何だあれ!!?)セロは驚いた。
二人の男がそれに気付いて顔を向けた瞬間、左側に居た男の頸動脈から血が強く噴き出て倒れた。
右側にいた男はAK47で撃ってていたが全くひるむ様子はなく、男の顔は下から上に一文字で切られて倒れた。
「静!?」星羅は違和感を感じた静に呼びかけたが反応が無かった。
「あ・・・」頭に触れた時、血が滴るほど付着した。
「・・・」セロは肩を被弾した痛みも忘れて、その様子を見ていた。
血が滴る鐔無し(刀の丸い部分)刀を持っていて、大量の返り血を浴た黒づくめの服装で、顔はガスマスクで分からなかった。
(こっちにはまだ気付いていない・・・嫌な予感がする、関わらないのが一番だ!)
「セロさん・・・静かが多分死んだ。」星羅は悲しそうに言った。
星羅の声に反応し高の様に、突然向かってきた。
「・・・!」M16で三発づつ撃った。
銃弾は全弾命中したが、一瞬そこが光るだけで銃弾は跳ね返って効いていない様子だった。
「何!?」セロは撃ち続けた。
セロはピストルを撃っても効かなかった老人の事を思い出した。
距離が縮まったため、瞬時に立ち上がりながら全力でその場を離れた。
「しまった!」セロは離れた所で、星羅達が付いて来ていないことに気が付いた。
しかし、そいつは三人の事を気にも留めず、一直線にセロに向かってきた。
「よし・・・」(効果があるのか分からないが、距離を取りながら撃つ!)セロは少し安心し、全力で走った。
セロは走りながら後ろを振り向いた。
(!?)距離が離れる所が迫っていることに気が付いた。
(相手の方が早いか!)振り向いてM16で連射した。
ひるむ事無く、両手で掴んだ刀を斜めに振り落としてきた。
瞬時に後ろに下がって回避した瞬間に振り上げながら接近して来た。
(速い!!)セロは寸前で回避した瞬間に接近して刀を振り下ろしてきた。
「!」セロはM16を上に上げた瞬間、刀はM16の弾薬倉庫あたりまで切れた。
セロは相手を蹴った。
そいつは少し怯んだが、倒れなかった。
「ハア・・・ハア・・・」セロは息を整えながら、M16を捨て素早くピストルに持ち替えた時、そいつの後ろから銃声が聞こえた。
「はっ!?」星羅がそいつの後ろかAK47撃っている事に気が付いた。
「逃げろ!!星羅!!」セロは必死に叫んだ。
瞬時に振り返り、星羅に接近してきた。
(銃が効いていない!?やばい!逃げないと!)星羅は思った時には目の前にいた。
走りながら刀を振り落としてきた。
「!!」星羅は後ろに下がって避けたと思った時、手首に冷たい感触がした。
「ふあ!!?」左手首が無くなっていて断面から血が噴き出ている事に気が付いた瞬間、壁に大量の血が飛び散った。
セロがそいつに接近した瞬間、振り向いて両手で刀を振り落として来た。
セロは瞬時に突進し、相手の両腕の空間に入った。
「!?」振り落とした刀はセロに当たらず、セロは頭部に撃った。
一発目でそいつの撃っていた所にひびが生え、二発目で全身に広がりガラスが壊れる様に粉々に崩れて消えた。
セロは感で銃が効くようになった事を理解し、もう一発撃とうとしたが弾は発射されなかった。
「Shit!!」銃は弾詰まりを起こした。(訳;くそ!)
「くっ!!」セロは股間を強く蹴られ、怯んだ瞬間に右手で刀を斜めに振り落としてきた。
ピストルを手放し、瞬時に接近して、そいつの右手首を左手で掴み、セロの右手でそいつの手の甲を叩きつける様に叩きまげた。
関節から鈍い音がすると同時に、刀は床に落ちた。
「!!?」一瞬何が起きたのかよく分からなかったが、直ぐに左裾から銀色のバタフライナイフを出しセロに向けて突き刺してきた。
「!」セロは瞬時に、左手でそいつの腕を掴み関節を曲げながら右手でそいつの左手の甲を内側に曲げ押した。
「あう!!?」ナイフはそいつの右胸部に深く刺さった。
セロは声でそいつが女性である事に気が付いた。
セロを蹴った同時に、セロはナイフをそいつから抜いた。
(呼吸困難になったな。奴は終わりだ・・・)セロは追加攻撃をしようとしたが様子を見る事にした。
「あ・・・あ・・・!」そいつは苦しそうに両手で首元を抑えながら、元の来た道に逃げていった。
「星羅!!」セロは血の海のなかにいる静に駆け寄った。
静は横腹から胸まで一文字に斬られていて、痙攣する左手が転がっていた。
「しっかりしろ!!」セロは腰のベルトを外し、星羅の左腕に強く巻いた。
しかし、顔色が真っ青で出血も止まらなかった。
「Oh・・・ Shit・・・」セロは今から病院に運ばれたとしても助からないと理解してしまった。
「I`m sorry・・・also did not protect・・・」(訳:すまない・・・また守れなかった・・・)セロは星羅の顔に触った。
「Enough・・・tired・・・」(訳:もういい・・・疲れた・・・)ピストルを口の中に入れて歯で固定した。
「・・・」目を閉じて震える手でトリガーを引いた。
(そうだった・・・)銃弾は弾詰まりしていて出なかった。その時、近くで銃声が聞こえた。
セロは右手でAK47を拾い立ち上がった。
通路の向こう側に全身黒色の服装にガスマスクにアサルトライフル(SCAR)グレネード付きを構えた人が見えた。
「Fuck you!!!」(訳:クソ野郎!)セロは銃を乱射した。
「!」そいつは戸惑うことなく撃ち返してきた。
「あう!」4発の銃弾が体に被弾して倒れた。
「うう・・・」激痛を感じながら撃ち返したが、そいつは銃弾が効くことが無く近づいて撃ってきた。
セロは被弾して右手の薬指と中指が欠け、腕にも被弾して撃てなくなった。
「ハア・・・ハア・・・」全身が痛み、視界がぼやけて来た。
視界に銃を構えたそいつが見えた。
「Kill・・・quickly!」(訳:さっさと殺せ!)
(これで良かった・・・)セロは少し微笑みながら目をそっと閉じた。