吉か凶か?
「おい!撃った奴は誰だ!状況次第では契約を打ち切るぞ!」運転手は武装している男たちに怒鳴った。
「救急車呼んで!!鈴鹿ちゃんが・・・」静は泣きながら言った。
「うるせえ!」蹴り飛ばした。
「痛た!」倒れて腹部を抑えた。
「内の部下が何かしましたか?」建物から濃い髭をした男が出て来た。
「これを見ろ!」ドアを指さした。
「ああ・・・すいません!弁償しますので・・・」
「まあ後でいい・・・」
「所でこつらは?」
「ああ、男は銃を持っている。」
「おい!」部下に命令した。
「銃を渡せ!」男がセロに向かってAK47を構えながら言った。
「なんでもいい!火を付けるものを!」セロはピストルを渡しながら言った。
「それで、傷口をあぶるか?」「あきらめろ、助からねえよ!ハハハハハ!」男達は笑いながら言った。
「女は一人500万男は・・・200万サービスだ。」運転手は言った。
「ほお・・・こっちに連れて来い!」
「立ち上がれ!」部下が星羅達に言った。
「くっ!」星羅は髭男を睨見ながら立ち上がった。
「お前もだ!」セロに言った。
「嫌だ!離して!鈴鹿ちゃん!」静は言う事を聞かなかった為、両手を掴まれて連れていかれた。
(こんなはずじゃなかった・・・)鈴鹿は思った。
(映画の様に敵の銃を奪って、セロさんと私が敵を倒して無事にここから抜け出せると思っていたのに・・・でも、これでよかったのかな?痛いけどだんだん楽になってきた・・・もう、私助からないんだ・・・)涙が穂を垂れた。
(でも、次に生まれ変わる時は・・・主役になりたな・・・)無意識に瞳が閉じた。
「顔は良いな・・・」髭男は二人を舐めるように見た。
「金は今度でいいじゃあな。」運転手は車に向かった。
「下着になってもらおうか!」髭男は二人に言った。
「・・・」(予想はしてたけど・・・誰か助けて!!)星羅は思った。
「脱げ!お前の・・・連れが悲惨な目にあうぜ。」髭男は銃を付きっつけられているセロに指さした。
「鈴鹿ちゃん・・・」静はずっと泣いていた。
「さっさと脱げ!へへへ・・・」
(言う事を聞かないと殺される・・・でも、聞いても一生奴らの玩具にされる・・・私がもっとしっかりしていたらな・・・)星羅は上着を脱いだ。
「おお!」周りの男から歓声が上がった。
「・・・」(今は従おう・・・隙が出来たら・・・殺す!)
「言うこと聞くから!鈴鹿ちゃんを助けて!」静は言った。
「ああ?諦めろ、もう死んでいるだろ。」
「死んでない!鈴鹿ちゃんは死なない!」
「聞き分けが悪いな・・・お前らこの女は好きにしていいぞ。」
「流石ボス!」複数の男が静を囲んだ。
「や、やめて!」男に後ろから胸を触られた瞬間、髭男におびただしい血しぶきが発生し折れる様に勢いよく飛び倒れた。
「はあ・・・?」その場に居た全員が何が起きたのか一瞬、分からなかった。
「・・・」返り血を少し浴びた静達は、肉片や臓物が広範囲に飛び散り、上半身と下半身はバラバラになり、そこから強烈な腐乱臭がする髭男の死体があった。
「ひ、ひいいい!!?」「う、うええ・・・」数人の男が腰を抜かして倒れたり、嘔吐したりした。
「スナイパーだ!!」誰かが叫んだ瞬間、建物の反対側の茂みから激しい銃声が聞こえた。
「ぐわ!?」男の胸が欠け飛んだ。
「伏せて!」星羅は放心状態の静を押し倒した。
セロも伏せた。
「くそ!」銃で脅していた男が、セロを撃とうとした瞬間、胸部に大量の銃弾が被弾し倒れた。
車は互いの銃弾が当たり穴だらけになっていた。
「俺の嫁が・・・くそ!」運転手はすでに車の下に隠れていた。
「じ、襲撃だ!!」男達は戸惑いながら、物陰に隠れながら撃ち返した。
(今度は一体何なんだ!?警察か!?軍隊か!?だちらにせよ、助かっていなさそうだ!)セロは頭を両手で覆っていた。
「おう!!?」また一人、次々と男達は倒れていった。
「・・・」セロは射殺されて血が出ている男の死体に近づき、その血を頭と腕に塗り、死んだ振りをした。
「進め!!」掛け声と同時に、大型の盾を構え、全身を緑色に染めている複数の男が茂みから出て来た。
中央まで来た辺りで周囲を見渡すと、片手を上げた。そして、茂みからAK47やサブマシンガンMP5Kなど統一性がない装備した複数の男が出てきて、盾を持った男と建物内に入って行った。
「ここはクリアだな。」男の声が聞こえた。
「助けてくれ!!降参だ!」男の声が聞こえた。
「こいつちびってるぜ!!」
「おい!金出せ!」別の男の声が聞こえた。
「分かった!」財布を出した。
「へへ、どうも。」
乾いた音と同時に潰れる音がして倒れる音がした。
「大して持ってねえな・・・」
「おい!後にしろ!死んだ振りしている奴がいるかもしれねえんだ!」
「分かっていますよ・・・」
(明らかに政府関係者ではない事は確かね・・・このままだと見つかる・・・)星羅は思った。
「クリア。」
「次。」男達の足音は確実に近づいてきた。