表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖狐真白、ヒロイン?と元許嫁に翻弄されっ放しです  作者: 真弓りの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/61

今、幸せなの?

「え、ま、窓開いてなかったよね!? うそ、ワープした!?」



混乱する妹さんに、私は慌てて話しかける。



「こんにちは、初めまして」


「ひえっ!?」



妹さんが大きく一歩、飛び退いた。いきなり話し始めたクダちゃんを、怖いものでも見るような目でおどおどと見ている。



「驚かないで、少し話したいことがあるだけなの」


「えええ~~? うそぉ、めっちゃしゃべってるぅ」



涙目でもう一歩、妹さんの足が後ろに下がるものだから、私は慌てて言葉を継いだ。あんまり怖がらせると逃げられちゃいそう。



「私、真白よ。あのゲームをやっていたなら分かるでしょう?」


「ゲーム……」



その言葉に、妹さんの体が固まった。そしてクダちゃんをじっと凝視する。



「ゲームってまさか」


「そう、私もこのゲームに紛れ込んじゃったの。貴女もそうだって聞いたから、話したいことがあって」


「そんな人が、他にもいたなんて……!」



目をまん丸にしている妹さんからは、とても嬉しそうな声が響いた。そうよね、私も絢香さんに出会えたときって本当に嬉しかったもの。ゲームの世界に紛れ込んでしまったと理解しているからこそ、前世の記憶を持つ人との出会いはなにものにも代えがたい。



「私はこの世界では、妖狐の真白になってたの。この子は使い魔の管狐で、クダちゃん」


「ふふ、可愛い」


「実はこの世界での貴女の……お兄さんから、お話を聞いたんだけど」



話し始めて、いきなり呼称に困ってしまった。『絢香さん』って本当は妹さんの名前だものね。呼び方が難しいなぁ。


なんて困っていたら、目の前の妹さんの顔が急に曇った。



「ワタル君、怒ってるよね……私、逃げちゃったから」


「ワタル君ってお兄さんの名前?」


「え、そうですけど……あれ? お知り合いなんですよね?」


「そうだけど、私ずっと『絢香さん』って呼んでたから」



絢香さんとの出会いと現状をざっくりと説明すると、妹さんの顔はみるみる青くなった。



「うそ……じゃあ、私の代わりにワタル君がヒロインやってるの? 女装して?」


「そうそう、雅様に聞いてなかった? 言動は乱暴なんだけど、なぜか攻略対象者はベタ惚れなのよ」


「雅様はなにも……そんなことになっていたなんて」



口元に手を当て目をまん丸にして話を聞く妹さんは、やっぱり絢香さんよりもさらに可憐だ。それにしても雅様、学園でのことを何も話していないのね。


さっき妹さん、窓も開けちゃいけないって呟いてたし、やっぱり外界から隔離されているんだろうか。


心配になって、つい尋ねる。



「ねえ、このお屋敷にいるのは自分の意思なの? ……今、幸せ?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ