爆弾発言、いただきました。
「あ、絢香さん……あの、わざわざ来てくれたのはありがたいんだけど」
「分かってる、分かってる。みなまで言うな!」
なぜか私のベッドの上で男らしく胡坐をかいたまま、絢香さんがそう言い放つ。可愛らしいふんわり白のワンピースが泣くよ、その体勢……。
「俺の気配がしたらあの俺様野郎がすっ飛んでくるって言いたいんだろ?」
「そうよ、私、千尋様をごまかせるレベルの結界とか無理なんだもん」
既に実感したばっかりなんだよね。
「ま、基本的なこと決めたらすぐに退散するって」
「ならいいけど。じゃ、早速本題に入りましょ」
「おう。で、雅の屋敷にいるかも知れねえって? 盲点だったよな」
そう、まさに盲点。攻略対象者の家に匿われているだなんて。
「絢香さんって雅様のお屋敷の場所、覚えてる?」
「いや、まさか。俺がゲームしてた時って興味あったの真白ちゃんだけだし」
「そうよねえ。私も千尋様ルートしかあんまり覚えてなくて」
「使えねーな」
くっ……あんただっておんなじ状況でしょうが! と言いたいところだけど、クライアントだから我慢する。
「千尋様は場所をご存知のようなんだけど、行くなら一緒に行くって言うし、真面目に困ってるの」
正直にそういえば、絢香さんも真剣な表情で「うーーーーん……」と唸って黙ってしまった。
「しかもね、千尋様、雅様が禁術を使ってるんじゃないかって疑ってるから、余計に心配しちゃって」
「は? 禁術?」
きょとんとする絢香さんに、お屋敷にいる妹さんを傀儡だと思っているらしいことを説明する。
「へ、じゃあ何か? 雅が生贄使って作り出したと思ってんの?」
「そういうこと。そんなサイコな奴に近づくのなんか言語道断! って思ってるわけよ」
「そりゃ監視の目も厳しくなるわ」
「他人事みたいに! ねえ、せめてあれが妹さんだってこと、千尋様に話しちゃダメ?」
「う~~~~~ん……」
またも眉間にしわを寄せて唸りまくる絢香さん。かわいい顔が台無しですよ、って言ってあげたくなるくらいの渋面だ。
「いや、やっぱ俺の命が危ないっつうか」
「命?」
なんか急にぶっそうな話になった!
「え、なんなの。意味が分からない」
そういうと、絢香さんが渋々、唇を尖らせたままこんな話をしてくれた。
「いや前にさ、セカンドやった? って聞いたことあったろ?」
「あったね、そういえば」
あれはまだ、出会って間もないころの事だった。知らないと答えたら、「じゃあ知らない方がいい、面倒な事になる」って絢香さんに言われたんだっけ。
「俺ね、そのセカンドのラスボス的存在なわけよ」
「はあ!?」
爆弾発言、いただきました。




