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*彼と彼女の世界*



ーーーーー

ーーー


生活がまるで逆転している。夜にストリートライブとクラブの演奏を繰り返す故に必然的に昼間は休息の時間になる。

同じ年頃の女性と同じような生活をしてみたいと思ったこともないわけじゃない。

学校に行き、様々な遊び場に友人と行きふざけあう。

こんな生活を過ごせたらどうなんだろう。

そう考えた事がないわけじゃない。それでも、そんな無駄な出来もしない事を考えるのはすぐに止める。


バイオリンとそれを演奏する所があればそれだけで生きてける。



ソフィアはクラブのステージに立っていた。


バイオリンと弓をまるで刀と盾を持つかのように。




これは私の身と心を守る武器。




いつもこんな所で演奏するをする時はそう心を決めて演奏をする。





丁寧に演奏をする。様々な曲。ここのみんなが好きそうな曲。




・・・数曲演奏終える。




どんな曲であれバイオリンを弾く時は自分が世界の中心な感覚に陥る。




ソフィアは演奏を終えるとスポットライトに照らされたステージから薄暗い店内に降りた。


その瞬間、一人の男が話しかけてきた。




「・・・いい演奏だったね。良かったら一杯どうだい?奢るよ。」




・・・だれ?



このクラブで数年間演奏していたが話しかけてくる人と言えばクラブの店長か仕事終わりのバーテンダーぐらいなものだった。


ソフィアは見慣れない顔と薄闇の中で構えた。




どこかで見たことある顔。だれだっけ・・・。あぁ、そうだ。昨日のストリートライブで話しかけてきた記者の人。




「・・・いい演奏だったね。良かったら一杯どうだい?奢るよ。」



男は言う。



一杯ぐらいならいただこうかな。

そのあと二人はバーカウンターに行きそれぞれカクテルを注文した。



それから男とは名乗ったり名乗られたりして、カクテルが無くなる少しの時間をともにした。




・・・悪くない。




クラブでカクテルなんて飲んだことなんかなかったけどなかなかいい気分たった。

男のその一言までは。




「・・・君がこの前、最後に、演奏していた曲いい曲だったよ。あれはなんて曲名なんだい?また聞きたくてさ。」



・・・ストリートライブの最後の曲。あれはとても大切な大切な曲。

褒めてくれてありがとう。素直にそう思えた。


・・・でも。




「あれは、自作の曲なので名前はないわ。」



そんな返事しか出来ない。だってあの曲は・・・。



もう少し話したいような気がするけど話すのは止めておいた方がいい。そう思う自分がいる。

ソフィアはその場から離れようとした。



でも、彼に呼び止められた。



・・・名刺?



彼は宮本 聡史。帝国新聞の記者。



新聞社・・・。



新聞社なら、その力ならもしかしたらこの呪いを解いてくれるのではないだろう。



そんな事を一緒考えたがすぐにやめた。



ソフィアは名刺をしまい。その場から立ち去った。


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