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≧ threeTHE:共通シナリオ①

~第一章:ロリコン(女)とショタコン(男)?~



「はぁ…かわいいなああの()

「おい不審者…邪魔だ」


隣にやってきた銀髪の青年がガンを飛ばしている。

訂正したいわけじゃないけど、私は不遜な理由で小さい子が好きなわけじゃない。

―――あの子とよく似た可愛い幼女限定で好きなのだ。


「やめろよ桐朱、初対面の人相手に失礼だろ」


友人らしき茶髪の男子が銀髪男の肩を小突く。

ほんとうに失礼、たしかに私は通行の邪魔をしていたし小学校やら幼稚園やらをのぞいていたけど――――


「ああ、やはり半ズボンはいいな」

「アンタに言われる筋合いないわショタコン野郎!」

「お前も同じ穴のムジナだろうショタコン女」

「私はショタコンじゃない!!ロリコン女だよ!!」

「言い切った!?」



「む…あの少年いい脚だ(将来はサッカー選手だな)」

「あ…あの子すんごく可愛い(将来はきっとモデルだね)」

「あの、おふたりさん。誤解されかねないからちゃんと全部言ったほうが……」


しばらく私たち三人は少年少女を見ていた。周りに人がいても何もやましいことはないので、キョロキョロしなければたぶんきっと大丈夫なんじゃないかな。


「おいロリコン!!貴様の女が少年に近づいたぞ!!」

「ちょっとショタコン!アンタの男が私のプリティーガールと手を繋いでるよ!?」


サッカーをしていた少年が私の見ていた子と親しげに話している。


「今時は小学生でもカレカノを作る時代らしいからな、さっさとなんとかしろ!」

「そっちこそ!!」


初対面だというのに遠慮なしに口喧嘩が始まってしまう。


「まーまー喧嘩すんなって。男が好きな男と女が好きな女で、双方どうしようもないヤツでお似合いだぜ?」


銀髪男の友人が爽やかに親指を立てる。その雰囲気になんだか納得しそうになるが、語弊があるので認めるわけにはいかない。


「別に女好きなわけじゃなくて!!小さい女の子がいいの!!」

「男が好きなわけじゃない!!少年が好きなんだ!!」

「は、はあ……」

「大体シンマ、理由は知ってるだろう幼馴染なんだからな」


銀髪男はため息をつきながら友人にいった。


「はいはい氷室、お前はともかく……君はどうして?」


私がなぜここにいるのか理由を聞かれ、しかたなくわけを話すことにする。



―――私には年の離れた妹がいた。


『みか、お姉ちゃんだーいすき』

『わたしもみかだいすき!』


みかといういつも私にべったりで、甘えん坊な子。


大きくなったら一緒に服を買いにいったり、可愛い雑貨や美味しいお菓子を見たり食べたりできると思っていた。


あのときの空はよく晴れて、いつものようにみかは他の小学生数人と一緒に登校している途中だった。


『みかああ!』


―――それは突然の事故だった。

悪い夢でもみているんだと、現実から目を背けてみたけど、たしかに私の側にいた妹はもういないんだ。

その日を境に、妹に似た小さな子を見かけると、思い出す。


「私ひとりっこだから妹がほしくて」


―――初対面の相手に話す内容にしては重いので詳細は伏せて話す。


「なるほど、俺と同じだな。姉ばかりいて男兄弟がいないからなんだ」


親近感がわいたのか、さっきの刺々しい反応がうすれた。


「いや、何いい感じにまとめてんだ。弟妹がほしいからって小学生物色すんなよ」


――正論なので反論できない私達は、目を反らす。

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