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男性脳と女性脳について

作者: 日下部良介

『夫婦脳~夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか』

脳科学者、黒川伊保子さんの本のタイトルです。

タイトルの通り、夫と妻(男と女)では脳が別物だということが書かれた本なのですが“脳科学”なんて言うと、堅苦しくて読んでも理解できないと思いがちですが、この本では作者本人が体験したことやエピソードを面白おかしく織り交ぜながら、誰が読んでも「なるほど!」と思えるように書かれています。


例えば、“恋愛”について。 人はどうして恋愛するのか? 究極の答えは“子孫を残す”ことなのです。 しかし、ただ単に残せばよいというものではなく、より生存確率の高い子孫を残す必要があるわけです。 そのために“脳”が起こす行動とは…。

信じがたいことに、“脳”が“恋愛”の対象として選ぶ相手は自分とは真反対の相手なのだそうです。 どういうことかというと、自分とまったく違う行動を取る相手の遺伝子を子孫に取り入れることで、いざという時の行動に違う選択肢を与え、それによって、より生存の可能性を高めるようにするためだというのです。

したがって、好きで好きでたまらなくて結婚する相手とは、実は、人としての相性が最も悪い相手だということになるのだそうです。

だとすれば、どうしてそんな相手を好きになって結婚しようなどと思うのでしょうか? 

これは特に妊娠して子供を産むというリスクを背負う女性の脳が、相手を選ぶ際に自分とまったく違う遺伝子を持つ相手を探し当てた途端、その人しか見えないようにコントロールしてしまうからだそうです。 つまり、その人の悪いところや嫌なところを見て見ぬふりをするようにしているというのです。

結婚されている方は思い出して下さい。 3年くらいすると、今までこんなに好きだった人が急につまらなく感じたり嫌になったりしたことはないでしょうか?

女性が妊娠して出産、授乳の時期が過ぎる頃までの、ひとつの“仕事”を完了するのに要する時間が3年と言われています。 これは結婚してからではなく、知り合ってからの3年間ということになるわけですが、この3年間だけは自分と真反対の相手でも子孫を残すのに必要な“道具”としての男性を“好き”でいることができるというわけです。

本来、人としての相性が最悪な相手と一緒になっているわけですから、当然と言えば当然なのですが、“3年”という時間はこういうところからきていたのだということなのです。

それでも、人には知性があるので、一度結婚してしまえば、たとえ相性が悪くても、何とか一緒にいようと努力するものです。

男性は子孫を残すという本能に従って、ある程度“来る者は拒まず”という感じで相手を選ぶ…。 というより、実際地は選ばれているわけですが、女性は妊娠、出産というリスクを背負う分、よりシビアに相手を選ぶというわけです。

もし、結婚していない場合、付き合いが3年間を過ぎても子供ができなければ、女性は次の相手を探さないと子孫を残すことができません。 今付き合っている彼女を放したくないと思った男性は3年以内に結婚してしまうことをお勧めします。


この本を読むと、今まで疑問に思っていた夫婦間の悩みが一気に解決します。 その上で相手を思いやり言動や行動を改めることによって、より良い夫婦生活を送ることができるかもしれません。

他にも興味深い“脳”の働きによる“男”と“女”の違いが身近な例やたとえでわかりやすく書かれています。


黒川伊保子さん自身も妻であり、母親でもあります。

彼女もお子さんが通う学校ではPTAの役員もやられており、その関係で彼女の講演を聞く機会がありました。

こういう本を出されているだけあって、彼女の講演は始めから最後まで笑いが絶えないお話で、しっかり記憶に残るものでした。 数百人の来場者の中には誰ひとりとして居眠りをする者がいませんでした。

そういった彼女の話術も素晴らしいものでしたが、彼女自身が女性としてとても魅力のある方なのです。 当然、美人(ボクが認識した限りでは)ですし、脳科学者だというだけあって知的です。 かといってお高くとまったようなところもなく、本当に“隣のきれいな奥さん”といった感じの気さくな方なのです。


ボクは彼女の講演を聞いてすぐにこの本を買いに走りました。 そして、時間を見つけては何度も読み返しています。 ちょっとした講義などを行う機会があれば、この本の内容を話して聞かせることもあります。 すると、みんなが「なるほど」、「そういうことなのか」と共感してくれます。 更に、自分が書いている小説の中にも取り入れたりしています。


“男”と“女”、そして“恋愛”。 偶然の出会いや甘いロマンスだと思っていたものは、子孫を残すため、自分の意思とは無関係に“脳”によって作られた筋書きのあるドラマだったのだと言えるでしょう。


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