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第六話 堕天の剣

ははっ!

黒い霧に包まれた獣の群れは、次々と襲いかかってくる。剣を振るい、何体かを斬り伏せても、その数は減るどころか増えているようにさえ感じた。


「こんなに……多すぎる……!」


僕の息が荒くなる。何度も斬りつけても、次から次へと湧いてくる敵に圧倒されそうだった。


「ラズフェル、後ろ!」


シエラの叫び声に反応し、後ろを振り返ると巨大な獣が爪を振り下ろしてきた。剣でなんとか受け止めたものの、その衝撃で体が地面に叩きつけられる。


「くっ……!」


立ち上がろうとするが、群れの圧力が一瞬の隙を与えない。シエラも獣たちに囲まれ、追い詰められていた。


「シエラ!」


彼女が懸命に魔法を放ち続けるが、次第に動きが鈍くなっていく。僕の胸が強く締め付けられるような感覚に襲われた。


「助けたい……!どうすれば……!」


その瞬間、剣が黒く輝き始めた。いや、輝きというより、闇そのものが渦巻くように刃を包んでいく。そして、頭の中に再びあの声が響いた。


――ゼフィラスの力を解放せよ。お前の意志がその覚悟を示すのなら――。


「ゼフィラス……!」


僕は迷わなかった。シエラを守るためなら、この力を使う。たとえその代償が何であっても――。


「来い……“闇天一文字則宗あんてんいちもんじのりむね”!」


刃が闇に完全に飲まれ、霊装が展開される。その瞬間、世界が静まり返り、空間そのものが震え始めた。


「ラズフェル……その力……!」


驚愕するシエラの声が聞こえたが、僕は目の前の敵に集中する。


「闇刃解放――ウロボロス!」


大地が闇に染まり、僕を中心に巨大な円形の刃が次々と生み出される。それらは直径50センチほどの刃で、100枚もの刃が重なりながら回転し、あらゆる方向に向かって斬撃を放った。


「消え去れ……!」


敵の攻撃はことごとく弾かれ、逆にその闇の刃によって群れが次々と斬り裂かれていく。高密度の斬撃は獣たちを塵へと変え、あたり一面に闇の波動が広がった。


獣たちは恐怖に駆られたのか、次第に後退し始める。しかし、逃がすつもりはなかった。


「これが……僕の力……!」


刃が一斉に収束し、最後の一撃が大地に突き刺さると同時に、闇が霧散する。残ったのは静寂と、消え去った獣たちの痕跡だけだった。


「ラズフェル……本当に、やったんだね……。」


シエラが震える声で呟きながら僕に歩み寄る。


「……うん。でも、この力は危険だ。僕が制御できなければ――。」


「でも、あなたがいなければ、私は……。」


シエラが僕の手を強く握った。その温もりが、冷たい闇の感覚を少しだけ和らげてくれた。


「ありがとう、ラズフェル……助けてくれて。」


彼女の言葉に、僕はようやく安堵の息を吐いた。けれど、胸の奥にはまだゼフィラスの声が響いていた。


――力を求めた代償を、忘れるな。

見ていただきありがとうございました感想書いてねよろしくこんな感じで息継ぎ無しで喋ってるけど酒は入っておりません。


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