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第一話 堕天使の目覚め

初めて出す作品です。よろしければリピートお願いします。



静寂が支配する灰色の大地。そこには、生の痕跡も、希望の光も見当たらなかった。ただ、冷たく乾いた風が吹き荒れるだけ。


――僕はここに落ちてきた。


青い空も、白い雲も、どこか遠い記憶の中に霞んでいる。それどころか、自分の名前すら思い出せない。ただ一つ、胸に刻み込まれているのは――翼をもぎ取られるような痛み。


「……ここは?」


声に出した言葉も虚しく響くだけだった。その時、不意に大地が震える。


目の前の灰色の空間が裂け、そこから現れたのは巨大な鎌を持つ男だった。漆黒の鎧をまとい、無数の鎖が体に巻き付いている。その瞳は赤く光り、何かを訴えかけているようだった。


「お前が堕天使か?」


低く響く声。僕は言葉を失い、ただ彼を見つめるしかなかった。しかし、気づけばその手に黒い剣が握られている。


「何だ、これは……?」


それは、僕の意思とは無関係に動き出し、目の前の男に向かって斬りかかる。鋭い衝撃音が響き、火花が散る。


「その力……やはり、あの主が目を付けただけのことはあるな」


男は微笑むと、鎌を振り下ろしてきた。その攻撃を避けた瞬間、僕の中に眠る記憶の欠片が目覚めた。


「……ラズフェル。」


それは僕の名前だった。堕天した天使――そして、追放された存在。


「お前は、世界を彷徨いながら自身の罪と向き合え。だが、その力を使えば……また奈落へ落ちることになる。」


男の言葉が意味するものは分からなかったが、僕の胸の奥に暗闇が渦巻いていくのを感じた。


「力が必要だ。」


それだけを呟き、僕は黒い剣を振り抜いた。


――堕天した者の放浪は、ここから始まる。

いかがでしたでしょうか。よろしけれは下の星を満たしていってください。

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